須坂市須坂伝統的建造物群保存地区
須坂市須坂伝統的建造物群保存地区は令和6(2024)年8月15日に正式に重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
伝建地区は須坂で営まれてきた人々の生活の歴史や文化を継承する大切な文化遺産です。この文化遺産を将来に引き継ぎ保存・活用していくことで、良好な住環境の整備や地域の賑わいにつなげていきます。引き続き皆様のご理解・ご協力をお願いいたします。
地区内の建築物等は個人が生活し所有管理している場です。散策にいらっしゃる際には、住民の方や近隣への配慮にご協力をお願いいたします。
伝統的建造物群保存地区とは
「伝統的建造物群保存地区(以下、伝建地区)」とは、伝統的建造物(民家や土蔵などの建築物・ぼたもち石積みなどの工作物)の集まりと周辺環境を歴史的、景観的なまとまりとして、市が将来にわたり保存すると定める地区のことで、歴史的な建造物などが連続する町並みの維持・継承を行います。
伝建地区の中でも国にとって価値が高いとされる地区を「重要伝統的建造物群保存地区(以下、重伝建地区)」として国が選定します。
伝統的建造物群保存地区は文化財保護法で掲げられる文化財の1つです。歴史的な集落・町並みを残したいという住民の意欲と自治体の取り組みを支援するため昭和50年の文化財保護法改正により創設されました。
須坂地区の概要
須坂地区は「中町の辻」(現在の中町交差点)を中心に、西から北へ抜ける谷街道、南へ抜ける大笹街道、東へ抜ける山田道が十字に交わっています。これらの街道に沿って町が形成されており、江戸期以前から交通の要衝として成立していたと考えられます。近世には須坂村(須坂地区とその周辺を範囲とする村)に須坂藩堀氏の陣屋が置かれ、政治的な陣屋町の性格を持ちましたが、中町の辻周辺には商人の屋敷地、その外縁部に農人や職人の住宅が建ち並び、町家や農家、武家屋敷が混在する町が形成されています。
緩やかな傾斜が続く扇状地に位置する須坂地区には、「裏川用水」と呼ばれる無数の水路が流れています。この水路は古くから生活用水として利用されていましたが、近代以降には水車を動力とした器械製糸が発達し、須坂の製糸業は隆盛を迎えました。街道沿いを中心に、製糸業の隆盛とともに建築された豪壮な店舗や主屋が現存しており、町並みを形成しています。
| 名称 | 須坂市須坂伝統的建造物群保存地区 |
|---|---|
| 種別 | 製糸町・商家町 |
| 所在地 | 須坂市大字須坂字八木沢、字芝宮、字春木町、字中町、字新町、 字常盤町、字山崎、字上町、字横町、字宗石、字青木の各一部 |
| 面積 | 約18.3ヘクタール |
| 選定年月日 | 令和6年(2024)8月15日 |
| 選定基準 | (一) 伝統的建造物群が全体として意匠的に優秀なもの |
【参考】重要伝統的建造物群保存地区選定基準
伝統的建造物群保存地区を形成している区域のうち次の各号の一つに該当するもの
(一)伝統的建造物群が全体として意匠的に優秀なもの
(二)伝統的建造物群及び地割がよく旧態を保持しているもの
(三)伝統的建造物群及びその周囲の環境が地域的特色を顕著に示しているもの

重伝建地区選定の背景
須坂地区には、江戸末期から昭和初期にかけて建築された豪壮な建造物や工作物などが数多く現存しています。街道沿いの豪壮な建築物のほかにも、敷地の奥には繭蔵として活用された土蔵や製糸業に関連する付属屋が、街道に面さない街区には、町場の拡大に伴い高密に建てられた長屋などが現存しています。また、脇門やぼたもち石積みなどの工作物も数多く分布しています。
街道沿いの建築物は、妻入と平入の屋根や、白漆喰仕上げと中塗り仕上げの外壁など、様々な特徴が混在しており、脇門を備えた町並みは須坂地区の特徴の一つといえます。ひとつの形式に限定されない多様性に溢れた建造物群が当時の繁栄を物語っています。
これらの特徴を踏まえて、「北信地方の製糸業の隆盛を伝える豪壮な主屋が建ち並ぶ近代の商家町」として評価され、令和6年8月15日に重伝建地区に選定されました。
範囲図

須坂地区にお越しの方へ
パンフレット
地区内公開施設に、地区の歴史や建造物の特徴についてのパンフレットを置いております。ぜひご利用ください。
公開施設について
歴史的建造物を活用した観光案内所や、須坂の歴史について展示した博物館もあります。観光交流センターでは地区のみどころなどをご案内しています。休憩所としてもご利用いただけますのでお気軽にご利用ください。
更新日:2025年10月22日