皮ごと食べられる種なしブドウ「ナガノパープル」

須坂市では、JAながの等の関係機関と力を合わせ、「ナガノパープル」の生産振興に力を入れています。

ナガノパープルは、巨峰とリザマート（注釈1）を両親に、須坂市にある長野県果樹試験場で育成されたブドウです。

2004年には品種登録がされ、シャインマスカットと同等に扱われる高級ブドウです。

2013年8月、日本野菜ソムリエ協会の「第15回野菜ソムリエ サミット：テーマ”ブドウ”」において、JAながのが食味評価部門で大賞を受賞しました。

（注釈1） 品種登録時には「巨峰」と「ロザリオビアンコ」の交配組み合わせによる育成とされていましたが、花粉親が「リザマート」であることが明らかとなり、平成22年12月22日に長野県果樹試験場から公表されました。

ナガノパープルの特徴は、何と言っても「種がなく、皮まで食べられる、大粒のブドウ」だと言うことです。

さらに、近年「種無し・皮食」のブドウが次々と誕生する中にあって、特にナガノパープルは黒系のブドウでもあり、皮にはポリフェノールがたっぷりと言うのが最大の強みともなっています。

ナガノパープル一房を食べると、赤ワイン1本分と同程度のレスベラトロール（ポリフェノールの一種）を摂取できるそうです。

肝心の味ですが、巨峰に勝るとも劣らない糖度ながら、「さわやかな甘さ」が特徴です。

須坂市はナガノパープルの生まれ故郷であることはもちろんですが、須坂市周辺は内陸性気候で雨が少なく、1日の気温の高低差（日較差）が大きいうえ、砂礫質の土壌は水はけもよく、果実栽培、特にブドウ栽培には最適の条件を備えているのです。

また、これまでに培ってきた高度なブドウ栽培の技術が、特に難しいとされるナガノパープルの栽培にも生かされています。

ナガノパープル（露地栽培）の収穫期は、須坂では9月上旬から9月下旬です。ハウス栽培されているものもあります。

販売については、須坂市内のフルーツ直売所・観光果樹農園、またはJAながのへお問い合わせください。
（注意）その年の気候によって収穫期が異なる場合があります。

電話番号：026-245-0153
ご購入されたブドウの品質については各販売店にお問合せください。

（注釈）個別の商品についてのご質問はお買い上げされたお店にお問合せください。
もともとぶどうは種が入りますが、種無しぶどうは希釈したホルモン剤を使って種ができなくするための作業を行います。その作業は、花が咲いたあとの決まった期間内におこなうのですが、樹や花の成長が進んでいて、一部だけ薬剤がきかずその後の成長過程で種ができてしまう場合はあります。なお、種無し巨峰やシャインマスカットでも同じ作業を行います。

（注釈）個別の商品についてのご質問はお買い上げされたお店にお問合せください。
消毒とよく間違えられますが、これは「ブルーム」と呼ばれ、熟した新鮮な果実によく見られます。これは、水分の蒸発や病気を防ぐために果実から分泌され、人体には無害なものです。

須坂市周辺では、真冬には1日の最高気温が0度に満たない「真冬日」が珍しくありません。

そんな寒さの中で剪定作業は行われます。畑全体にまんべんなくブドウがなるように、樹形を整えます。

ブドウの花が咲くのは6月上旬。

花が咲く前の「花穂」の状態で、ブドウの房の形を決める大切な作業です。

短期間に一斉に行われ、上を向いて房を落とすので、肩や首が痛くなる大変な作業です。

房切りで概ねの房型が決まりますが、この摘粒作業でしっかりと形が整います。
ひと房ひと房、ブドウ1房の粒の数を35粒程度にする、これまた気の遠くなるような作業です。

7月中に、ブドウには袋が掛けられます。

これから収穫までは、袋の中で成長し、おいしくなります。農薬が直接かかることもありません。

ブドウに甘みがまして、いよいよ収穫です。

真冬から手を入れてきたナガノパープルを試しに一口食べる瞬間が最高です。

美味しく出来ていると、食べていただく方の顔が浮かびます。