市長のコラム 2025年7月

更新日:2025年07月31日

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2025年7月31日(木曜日)

信州松代に学ぶ

2025年7月26日(土曜日)、長野市松代町に行きました。

8月から「第27回信州岩波講座2025」が開催されますが、講師の梯久美子(かけはしくみこ)さんの著書(注釈1、2)に、松代町に関連するものがあること、また10月3日にグランドオープンするイオンシネマ須坂(イオンモール須坂内)のオープニングの一作品として「シンペイ~歌こそすべて」が上映予定で、作品に登場する松井須磨子の出身が松代町であったからです。

(注釈1)「散るぞ悲しき硫黄島総指揮官・栗林忠道(新潮社)」栗林忠道は松代町出身です。

(注釈2)「戦争ミュージアム-記憶の回路をつなぐ(岩波新書)」松代大本営地下壕について触れられています。

 

当日は「NPO法人夢空間 松代の町と心を育てる会(以下「NPO夢空間」)」に伺い、以前から存じ上げている、香山篤美理事長を始め3人の方から、貴重なお話をお聞きしました。

NPO夢空間は、平成13年(2001年)6月に任意団体として住民有志100名で発足し、翌年6月にNPO法人の認証を受けました。以来、松代町の歴史、文化、自然、人物など地域に潜在する資源を掘り起こして全国に発信し、住む人も訪れる人も心憩えるまちを目指して、住民によるまちづくりに取り組んで来られました。長年にわたり幅広い活動を継続されていることに感心します。

私は以前から、松代町は偉人を多数輩出していることにも関心がありました。一例をあげますと、佐久間象山、松井須磨子、草川信(童謡作曲家。夕焼け小焼け。汽車ポッポ)、海沼實(童謡作曲家。お猿のかごや。音羽ゆりかご会創設)、山上武夫(童謡作詞家。お猿のかごや)、坂口淳(童謡作詞家。子鹿のバンビ)、恩田重信(明治薬科大学創始者)、横田秀雄(大審院長)、井上操(関西大学開校者)、斉田功太郎(日本最初の博士)、栗林忠道、などです。

この理由を香山理事長に伺いましたら、「松代藩八代藩主の真田幸貫は文武の奨励を目的に、松代藩の藩校である文武学校を1855年に開校しました。(松本藩校は1793年、上田藩校は1813年の開校ですので、比較すると早くはありません。)しかし、藩主がこのように教育に熱心であったことや、明治維新後も学校長が教育に熱心であったこと、旧藩主の真田家が東京の松代出身者のために寄宿舎を設置し支援したこと、さらには、先輩が後輩を支援する文化があったからでは」という解釈を述べられました。

NPO夢空間と小学校との連携、財源確保への工夫、書籍等の発行、手作り品の販売など、NPO法人運営方針も非常に参考になりました。NPO夢空間と須坂市との意見交換会が、開催できればありがたいと感じました。

その後、「山寺常山邸」、「もう一つの歴史観・松代」、「象山地下壕」、「懐石小鉢定食・松代象山店しんこきゅう(心幸食)」、「恩田木工民親像(真田公園となり)」、「旧樋口家住宅」、「真田宝物殿」に行きました。それぞれ、多くのことを経験し、学ぶことができました。

私が尊敬する、江戸時代の松代藩家老であった恩田木工(もく)民親像の説明文には、「木工(もく)は嘘をつかないことを信条として政治を行い」と書かれていました。
私も同様に考えていますが、残念ながら誤解をされることがあります。

2025年7月24日(木曜日)

戦後80年 平和を考え、守る

2025年は戦後80年の年です。
私も含めて戦争を知らない世代がほとんどとなりました。平和の大切さを「伝えなければ」と思います。
 

【戦後80年特別事業 須坂市民学園公開講演会 平和学習講座「上高井の満蒙開拓から~戦争体験を次世代につなぐ~」】

日時:8月2日(土曜日)午後2時~4時
会場:生涯学習センター 3階ホール
入場:無料
講師:信濃毎日新聞記者 上沼可南波さん、市内在住の満蒙開拓団帰還者 牧よし子さん、金井義和さん、須坂市立博物館長 小林宇壱さん

先日、久しぶりに牧よし子さんとお話しました。14歳で満州に渡ったとのことです。貴重な「戦争の口頭継承」です。
 



【戦後80年特別事業 夏休みこども映画会 せんそうってなに?へいわって?】

日時:8月8日(金曜日)午前10時~正午
会場:生涯学習センター 3階ホール
入場:無料
内容

  • 長編アニメーション映画「えっちゃんのせんそう」上映
  • 講演:わたしたちのくらしをかえた戦争~満州に行った子ども・須坂に来た都会の子ども(講師:須坂市立博物館長 小林宇壱さん)

こども映画会としていますが、どなたでも参加可能です。
 



【日本テレビ 金曜ロードショー「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」】

放送日:8月8日(金曜日)午後9時~11時29分(長野県内ではテレビ信州で放送)



【ドキュメンタリー映画「原田要 平和への祈り(2017年製作)」上映会&トークイベント】

日時:8月11日(月・祝)午前10時から
会場:長野相生座・ロキシー
トークイベント:午前11時30分~午後0時30分
テーマ:「若者と戦争~戦後80年の夏に思うこと~」
ゲスト:近現代史研究家 大日方悦夫さん、映画監督 宮尾哲雄さん、現役高校生3名
料金:一般1,600円、シニア・大学専門学生1,000円、3歳~高校生800円

戦争とは何か?戦争の実相を後世に伝えようと、亡くなる直前まで語り続けた原田要さん(現長野市浅川生まれ)の生涯と人間像を描いた作品。
太平洋戦争中、日本海軍の主力戦闘機「ゼロ戦」に搭乗し、多くの敵機を撃墜した名パイロット原田要。「殺さなければ殺される」その思いで必死に戦い抜いた。戦後は幼児教育に情熱を注いだ一方、自らの戦争体験を後世に伝えることを使命とし、平和や命の尊さを訴えつづけた。波乱に満ちた原田要の生涯を通して、あの戦争とは、あの時代とは何だったのかを改めて問い直す。



【信州岩波講座2025 戦後80年いま語るべきこと】

会場:メセナホール
時間:午後2時開講
聴講券:前売り1,000円 学生は無料

講座1:8月9日(土曜日)
「ケアをまんなかにおいた社会にむけて-10代のママたちの施設おにわ4年間のとりくみから」
講師:琉球大学教育学研究科教授 上間陽子さん

講座2:8月23日(土曜日)
「もの」が語る戦争の記憶-戦争ミュージアムを巡って
講師:ノンフィクション作家 梯(かけはし)久美子さん

講座3:9月6日(土曜日)
溌剌はつらつとした地域を創る
大正大学特任教授、地域構想研究所所長 片山善博さん

トランプのアメリカと混迷する日本政治
ジャーナリスト、白鴎大学名誉教授 後藤謙次さん

2025年7月17日(木曜日)

須坂市の夏祭り

今週末から、須坂市の三大夏祭りが開催されます。お出かけ下さい。

カッタカタまつり

カッタカタまつりは、1978年(昭和53年)に「須坂まつり」として始まりました。1972年(昭和47年)7月に桜木町通りを歩行者天国にし、民踊ながし(民謡に合わせて踊ること)を行った夏まつりが原点となっているようです。
「カッタカタまつり」という名前になったのは1997年(平成9年)で、名前は公募されました。須坂まつりで踊られてきた「須坂小唄」に出てくる「カッタカタノタ ソリャ カッタカタノタ」という歌詞に由来しています。


「須坂小唄」は、作曲中山晋平・作詞野口雨情の新民謡コンビが、はじめて信州のために作った新民謡です。


須坂小唄の作曲者、中山晋平の映画「シンペイ~歌こそすべて」は好評でした。須坂市もロケ地となりました。いつの日か、須坂市でも上映したいと考えています。

  • 劇中で中山晋平が使うオルガンは、園里郷土資料館から貸し出したものです。
  • グランドピアノを弾くシーンは、旧上高井郡役所で撮影されました。
  • 写真はありませんが、鹿児島料亭の場面は、旧小田切家住宅で撮影されました。
     
第48回須坂カッタカタまつり

開催日:7月19日(土曜日)午後3時~9時
会場:須坂市末広町交差点付近
内容

  • カッタカタマルシェ(会場:須坂中央駐車場広場・信州須坂観光協会主催)
  • スザカイザーショー&無料こども広場(会場:末広町交差点~馬場町東交差点・須坂青年会議所主催)
  • 消防署による「屈折はしご付き消防車」の展示(会場:大久保眼科駐車場)
  • 須高地区で演劇活動を行う「MDAプロジェクト」とチアリーディングチーム「須坂コルツ」によるステージ発表(会場:踊り見本櫓周辺)
  • 消防団音楽隊パレード(会場:市営駐車場から踊り見本櫓に向かって行進)
  • 踊りの祭典(午後6時~8時、竜みこしは午後6時40分~7時10分)

第38回須坂みんなの花火大会

開催日:7月20日(日曜日)午後7時45分打ち上げ開始(雨天決行)
会場:百々川緑地
駐車場:スマート駐車場アプリ「akippa」による事前予約制
会場周辺には無料の駐車場はありません。ご予約・事前決済のうえご来場いただくか、タクシー・徒歩などでご来場ください

須坂祇園祭(長野県無形民俗文化財)

町内の災いや疫病神を招き寄せ追い払うことを目的に、笠鉾巡行を行います。笠鉾の頂上にある依代(よりしろ、神の留まるところ)と笠の下に取り付けられた2段の帽額(もこう)は11基それぞれに特長があり、全国的にも貴重なものです。

笠鉾巡行の神輿の下をくぐると、風邪をひかない、頭がよくなる、などと伝えられています。

  • 天王おろし・笠鉾巡行:7月21日(月曜日)午前8時出発
  • 天王あげ・灯篭行列:7月25日(金曜日)午後7時30分から

2025年7月10日(木曜日)

出迎え三歩、見送り七歩


県外のある市で、民営の博物館に行った時のことです。私の知らない分野で、ちょうど他のお客様がいなかったこともあり、館長やスタッフと話が弾みました。私が帰ろうとすると、外まで見送りにきてくださいました。

モスバーガーでも、女性経営者と話が弾みました。「温かい感じのお店ですね」という私の感想をとても喜んでくださいました。いわゆる繁華街、観光名所からははずれた場所でしたが、繁盛しており、その理由は観光客ではなく地元のお客様が来てくださるから、とのことでした。店内には親子読書のすすめやメッセージボードなどが飾られ、お子さんへの配慮なども随所にみられました。33年間休まず、その間メルヘンチックな花壇の寄せ植えを欠いたこともないとのこと。トマトを店の外で種から育てているともおっしゃっていました。そして、その女性経営者も私を店の外まで見送ってくださいました。

これらの私の経験は、多分、一期一会。

別の飲食店では、女性の店員にバス停の場所を尋ねました。店を出て、時間調整しながら古物店を見ていると、後ろからその店員が話しかけてきました。私が迷子にならないように心配してわざわざ来てくださったとのことでした。

私よりも先輩で、尊敬申し上げる上場企業経営者も、本社ビルの出口まで見送りに出てくださいます。

つい先日、非常にお世話になった方が、ご夫婦で須坂温泉古城荘に宿泊されたので懇談をさせていただきました。このご夫婦も、自家用車で帰る私を古城荘の玄関を出たところまで出て見送ってくださいました。

「出迎え三歩、見送り七歩」という言葉があります。
古くから日本に伝わるおもてなしの心得ですが、私は宗教学者の山折哲雄さんの講演で教えていただきました。見送りが出迎えよりも歩数が多いのは、出会いへの感謝、帰路の安全祈願、再開の希望などの気持ちを込めているから、といわれています。物理的な三歩と七歩ではなく、心の持ち方や、相手への心の伝わり度合いのイメージです。

「ふれあい館まゆぐら」のスタッフから聞いた話です。
あるとき、まゆぐらの外で佇んでいる方がいらっしゃったので、声を掛けて中でお茶と漬物をお出ししたところ、後日、その方から下関のフグが送られてきたそうです。さらにその後、沖縄の花も送ってくださったとのこと。この方は善光寺の御開帳に来られ、その帰路、須坂市に立ち寄ったのだそうです。まゆぐらのスタッフの対応に「出迎え三歩、見送り七歩」を感じられたのでしょう。

2025年7月3日(木曜日)

第26回長野県 民生委員児童委員大会

 

2025年6月28日、29日、「第26回 長野県民生委員児童委員大会」が諏訪市文化センターで開催されました。

長野県民生委員児童委員協議会連合会会長の松嶋隆徳様を始め民生委員・児童委員の皆様は地域福祉の担い手として住民個々の相談に応じ、生活課題の解決にあたるとともに地域全体の福祉増進に取り組まれており、その活動に敬意と感謝を感じます。
 


また、民生委員・児童委員として永年にわたりご尽力され表彰をお受けになった皆様に敬意を表しますとともに、お祝い申し上げます。

民生委員制度は、1917年(大正6年)に岡山で誕生した「済世顧問制度(さいせい こもんせいど)」を源とし、その翌年に大阪で始まった「方面委員制度」が現在の民生委員の前身とされています。方面とは地域の意味です。この方面制度の創設に尽力したのが上田出身の小河滋次郎(おがわ しげじろう)法学博士です。
 


方面制度趣意書には、「我々委員は社会(せけん)のため人道のため弱き人や不仕合(ふしあわ)せな人達の味方となって出来るだけ犬馬(けんば)の労を惜しまぬ覚悟」とあり、貧しい人々、苦しんでいる人に適した救済方法を与えることを目的としていました。
これは、小河博士が信州で育ったことも背景にあるのではと思っております。長野県民として誇りです。

民生委員・児童委員の皆様は、地域社会の中で住民の最も身近な相談役として一貫して生活困窮者の支援に取り組み、社会状況に応じた新たな活動を展開するなど、地域の福祉増進のため常に重要な役割を果たされており、まさにこの趣意書を体現されています。
委員の皆様から直接お聞きする現場の状況は、私の市政運営の参考になっております。

現在、福祉課題や生活課題は一層複雑化・多様化しており、この解決に向けて社会全体での取り組みが求められています。また、自然災害は頻発、激甚化しており、災害時の支援や復旧・復興のため、地域における日頃からの支え合い活動や福祉関係機関のネットワークの重要性が高まっています。
令和元年東日本台風災害の際、県、市長会、町村会、県災害時支援ネットワーク、県社会福祉協議会など、長野県が一つになって復興に取り組む「ONE NAGANO」は、全国的にも先駆的な取り組みでした。


2025年12月には、民生委員児童委員の3年に一度の一斉改選があります。今期で退任される方々には、任期中に取り組まれた活動とご労苦に対し、改めて深い感謝を申し上げますとともに、来期も引き続き活動される方々には一層のご活躍をご期待申し上げます。

(県社会福祉協議会会長としてのあいさつに加筆)
 

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