市長のコラム 2025年3月
2025年3月27日(木曜日)
学びと感謝と地域愛
生涯学習須坂学舎13期生2年間の「レポート発表会」に出席しました。
母が、自転車と電車を乗り継いで県の老人大学に通っていた時のことを思い出しました。高齢なのに学ぶ母の姿勢を、当時、誇らしく感じました。
生涯学習須坂学舎13期生の発表の一部と、私が感じたこと(かっこ内に記載)を紹介します。
- 学ぶことにより須坂市を知り、愛着が増した。須坂市はまるごとお宝。(知ることは、愛に通ず。)
- 須坂市には何もないという人がいるが、実は知らないだけ。
- 講師、事務局、仲間などへ感謝。
- 学びを活用し、地域の子どもたちに生かしたい。自分良し・相手良し・地域良しを念頭に置きたい。(信州すざか農業小学校の先生と同様のお気持ち。市民による人材バンク構想。)
- 母の工女時代の楽しそうな写真を思い出した。(女工哀史といわれるが、実は工女は大切にされていた。貴重な写真を活用したい。)
- AIを活用し古文書解読を行った。SNSを活用した集客が、今後は重要。(生活をより便利にするAI活用を普及したい。)
- 他人と比べてばかりの毎日ではつまらない。
- 水害や廃藩などで落ち込んだ時に神社を新築し、大幟を新調した福島町のことを学んだ。
- 子どもたち目線の案内板が必要と感じた。
13期生の皆さまには、市政への提言を依頼しました。
各団体におかれても、現場に即した市政への提言をお願いします。
2025年3月21日(木曜日)
【お詫び】ふるさと納税返礼品の不適正な表示につきまして
この度、総務省及び農林水産省が公表したとおり、須坂市のふるさと納税返礼品を取り扱う「株式会社日本グルメ市場(いちば)」において、産地名の不適正表示があったことが、農林水産省近畿農政局の立入検査等により発覚いたしました。
当市の事業者がこのような行政指導を受けたことにつきましては、市として責任を感じています。
また、この件に関する市の対応を含めた経緯については、総務省から公表されているところですが、決して偽装の継続を容認していたわけではありません。
事業者から、今後混在はしない旨の報告があったことに加え、農林水産省が調査中だったこともあり、調査の結果及び措置が分かり次第、県や総務省へ報告し、しっかりと公表させていただく予定でした。
しかしながら、現時点で考えますと、地方税法への不理解が総務省への報告や寄附金の受付停止など、必要な措置の遅延につながりました。
このような事態を招き、当市にご寄附をいただいた皆様、須坂市の返礼品提供事業者など関係者の皆様、そして、市民の皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしていることを、心から深くお詫びを申し上げます。
対象返礼品を受け取られた寄附者様へは、書面でお詫びする予定です。また、返礼品提供事業者など関係者及び農家をはじめとした市民の皆様へは説明会を開催する予定です。どうか今しばらくお待ちいただけますよう、お願い申し上げます。
今後につきましては、第三者委員会を設置して真相を究明するとともに、再発防止の取組を進め、須坂市の信頼を回復できるよう全力を尽くしてまいります。
須坂市長 三木 正夫
2025年3月13日(木曜日)
コラム1「やしょうま、おやき、ひんのべ」
【やしょうま】
2月27日の信濃毎日新聞に、須坂市食生活改善推進協議会(以下「食改」という。須坂市では親しみを込めて食改さんと呼んでいます)の黒沢勝江会長始め4人の料理名人が、岡谷市で開催された信州の伝統食「やしょうま」を作って楽しむ教室に講師として招かれたという記事が掲載されました。今回で3回目の料理教室とのことです。黒沢会長をよく存じ上げていますが、料理も名人ですが、お話にも味があります。
北信では、釈迦の亡くなった日の法要「涅槃会(ねはんえ)」に「やしょうま」をつくって仏壇に供える風習がりますが、諏訪地域ではなじみが薄いようです
「やしょうま」といえば。
我が国でただお一人の伝承料理研究家でNHK「きょうの料理」などの料理番組にも出演されていた奥村彪生先生が、田中本家博物館の江戸時代の料理を再現・監修したご縁で、2008年4月に須坂市を訪問されました。
その際、涌井美代会長を始め当時の食改さんが「やしょうま」を作りました。全国各地で粉を使った料理を食味し研究している奥村先生は、「貴重な食文化。子どもたちに継承しながら、郷土食を生かしたまちづくりを進めてほしい」と助言されました。
【おやき】
「恋人の聖地 IMALUのグルメ甲子園!」では、全国の恋人の聖地がご当地グルメを持ち寄り、視聴者による人気投票が行われました。須坂市の1番バッター「おやき」は51品中7位と大健闘でした!2番バッターの「一万石」、3番バッター「紅霜月」もお土産にお持ちするととても喜ばれる品です。
【2025年須坂市#1】恋人の聖地 IMALUのグルメ甲子園!1番バッター『おやき』(YouTube)
【2025年須坂市#2】恋人の聖地 IMALUのグルメ甲子園!2番バッター『こだわりの銘菓 一万石』(YouTube)
【2025年須坂市#3】恋人の聖地 IMALUのグルメ甲子園!3番バッター『リンゴの羊羹「紅霜月」』(YouTube)
おやきといえば。
私の自宅の玄関には、「母ちゃんのおやき」という額装された大きな書を飾っています。これは須坂市にある「アートカフェCOCO」(障害のある方のアートスペース。書や絵などの創作活動を通して社会経済活動への参加を促進する場所)の小林さんという方が、自分の一番好きなものを書くというテーマで書いたものです。
これを読んだ私の小学生の孫娘が、「私の一番好きなおやきは、おばあさんのおやき」といったことを、時々、思い出します。
【ひんのべ】
「ひんのべ」は、北信、特に須高地域に伝わる郷土料理で「すいとん」のようなものです。
奥村彪生先生のご著書「日本めん食文化の一三〇〇年」では、「ひんのべ」について触れられ、中国大陸の食文化との比較で興味深い説明がされています。
「日本めん食文化の一三〇〇年」は市立須坂図書館で読むことができますので、ぜひお読み下さい。
郷土料理という食文化を次の世代に継承するとともに、まちづくりに生かしたいと改めて思いました。
コラム2「市民の安全安心を守る、須坂市消費生活・特殊詐欺被害防止センター」
消費者を取り巻く環境は、サービスの多様化、情報社会の進展により大きく変化しています。インターネットやスマートフォンの普及による利便性が向上する一方、その取引形態も多様化、複雑化する中で、消費者トラブルは後を絶ちません。
市内の2024年中の「電話でお金詐欺」被害の認知件数は、2件(前年比1件増)、被害額は、450万円余り(前年比約400万円増)で、被害額が大幅に増加しています。また、「SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺」被害の認知件数は、2件、被害額は、1,620万円でした。
悪質商法、オレオレ詐欺、還付金詐欺などは、高齢者が多く被害に遭っています。一方、近年増加しているSNSを悪用した投資詐欺・ロマンス詐欺は、中・若年層が多く被害に遭っています。
誰もが詐欺の被害者になる可能性があり、油断はできない状況です。
須坂市では、2017年に須坂市消費生活・特殊詐欺被害防止センターを設置し、専門の消費生活相談員による体制を整え、問題解決に向けた助言などを行っています。
地域や市内高校等において出前講座を開催し、消費者教育の推進を図っております。
また、消費者被害に関する情報提供は、介護保険説明会、広報須坂、ホームページ、SNS、防災行政無線、隣組回覧など様々な方法により取り組んでおります。
今後も引き続き、市民の皆さまが安全で安心してより豊かな消費生活をお送りいただけるよう、国や県、警察等の関係機関との連携を密にし、消費者行政の充実に努めてまいります。
市民の皆さまにおかれましては、日頃から消費生活・悪質商法・電話でお金詐欺等にかかわる情報に十分ご注意いただき、万一お困りの際は一人で悩まずお気軽に、消費生活・特殊詐欺被害防止センターへご相談ください。
【須坂市相談先】
須坂市消費生活・特殊詐欺被害防止センター
須坂市役所 本庁舎1階 市民課内
電話番号:026-213-7188
2025年3月6日(木曜日)
コラム1「市債(地方債)の機能」
問「将来世代に負担を負わせることのない」と基本方針が貫かれているにもかかわらず、市債(地方債)が大幅に増加していることは、将来負担の増が市政運営に影響されるのではないか。
地方債の機能についてお答えします
【1.財政支出と財政収入の年度間調整】
公共施設の建設事業や災害復旧事業など単年度に多額の財源を必要とする事業について、地方債の発行により所要資金を調達することにより、当該事業の円滑な執行が確保できるとともに、これに係る財政負担を後年度に平準化するという年度間の調整機能を有している。
【2.住民負担の世代間の公平のための調整】
将来、便益を受けることとなる後世代の住民と現世代の住民との間で負担を分かつことを可能としている。 なお、こうしたことから、地方債の償還年限は、その地方債を財源として建設した公共公用施設の耐用年数を超えてはならないこととされている。
【3.一般財源の補完】
地方債は、その発行年度について見れば、地方税、地方交付税等の一般財源の不足を補完する機能を有しており、一定の機動性と弾力性をもった地方財源の確保方策として重要な役割を担っている。
【4.国の経済政策との調整】
行政投資の多くが地方公共団体により実施されていることなどから、国が行う経済政策も地方財政と一体となって行われなければ実効性に乏しいが、地方を通じて実施される建設事業費の財源となる地方債は、その発行量の増減によって事業量を調整することが可能であり、景気対策等において重要な機能を果たしている。
問 各種防災アプリの市民の活用
お答えします
広報須坂市、市ホームページ、SNS等、各種媒体や会議を通じ広報しますが、様々な会議の冒頭で防災アプリ、公式LINEの活用法を説明します。
問 各種計画の見直し
お答えします
行政の場合には、計画を一度、制定すると「金科玉条のごとく守る」風潮があります。行政目的を達成するためには、計画を臨機応変にバージョンアップすることが必要です。Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つのステップ、PDCAサイクルを、常に行います。日本資本主義の父渋沢栄一は、「吾日に吾身を三省す」を座右の銘にしていたとのことです。多くの反省をしていたことが、渋沢栄一が実業家として成功された理由でもあったと思います。行政も、常には顧みることが必要です。
コラム2「超高齢社会の医療と健康 自分の健康は自分で守る」
3月5日の一般質問に対する健康福祉部長の答弁です。制度を知っていただくことが重要ですので、お知らせします。
【須坂市の高齢化率】
須坂市の65歳以上の高齢化率は、2024年10月1日現在で33.3パーセント。5年前の2019年は32.1パーセントでした。
また、75歳以上の後期高齢化率は、2024年10月1日現在19.8パーセント、2019年は16.9パーセントでした。
【高齢者医療費の割合】
厚生労働省が2024年10月1日に発表した「令和4(2022)年度 国民医療費の概況」によると、75歳以上の医療費は、全国では39.0パーセント、長野県では42.4パーセントとなっています。(須坂市単独の医療費は把握することができません)
【今後予測される医療費の増加額の算定とそれに伴う財源確保】
後期高齢者医療制度は、医療にかかる費用のうち自己負担分を除いた分の約5割を国と県・市町村の公費、約4割を若い世代からの支援金、残り約1割を被保険者の方が納める保険料で運営されています。
須坂市は5年前と比べ、被保険者数はプラス990人。医療費は7億2千800万円ほど増加しており、今後もしばらくは増加傾向が予想されます。
市の財政負担は、保険者である長野県後期高齢者医療広域連合において、過去のデータなどから被保険者数や医療費の増加及び所得などを予測して、2年に一度、県単位で保険料の改定を行っており、ここで算定された医療費をベースに、負担額を経常経費として財源計画を立て、予算編成しています。
-答弁おわり-
3月5日は「健康で元気な高齢者を育てていく具体策」についても一般質問がありました。
須坂市役所として様々な施策を行っていますが、特定の方を除いて、「自分の健康は自分で守る」を基本と考えています。
私の知っている93歳の女性は、テレビを見ながら四股を踏んでおり、週に一度は電車を乗り継ぎ日本舞踊を習いに通っています。自宅ではビデオを見ながら練習もされています。
加藤久雄前長野市長からは、健康づくりに関するお話をいくつもお聞きしましたが、一番、印象に残っているお話です。
長野広域連合の会議で、加藤前市長がスクワットをされていて、毎日1回ずつ回数を増やしているとおっしゃいました。ある首長が、「目標は100回ですね」というと、加藤前市長は「そうだな」と答えられました。しばらくして、100回のことをお伺いすると、「88回で止めた」とのことでした。理由は、一緒にスクワットをしていた長野市職員がついていけなくなったからとのことでした。
私は、長野市役所で広域連合の会議がある時は、加藤前市長が毎日使っていたであろう最上階までの階段を、加藤前市長を思い出しながら上っています。
ボランティア活動に熱心な92歳の男性Kさんが、福祉施設でお世話になっているから何かしなければと思い、ひな祭りということで市役所に可愛い小さな折り紙のひな人形を届けてくださいました。
須坂市にはお元気な高齢の方が大勢いらっしゃいます。そのような方とお会いできることは、励みであり、喜びです。
更新日:2025年03月27日