須坂市立保育園の施設整備の概要について
経過
須坂市の公立保育園は、昭和30年代から40年代の建物が多く、老朽化が進み、現行の耐震基準に適合しないことから、建て替えが急務となっておりました。
そこで、公立保育園の施設整備を行うにあたり、平成6年に有識者等による「保育所問題懇話会」を設置して今後の保育所の運営について検討いただき、原則として小学校通学区単位に1保育園という考え方に基づく報告書を平成8年に提出され、それを基に市の保育所の統合を含めた全体計画を策定しました。
まず平成11年度に当時の須坂東保育園と日滝保育園を統合した須坂東部保育園の建設を皮切りに、平成13年度には日野保育園の単独改築を行いましたが、その頃、市内大手企業の業務縮小により市の財政事情が急速に悪化し、建て替えが凍結状態となりました。
その後、厳しい財政状況ではありましたが、子どもたちの安全確保のため、建て替えが急務であったことから、平成17年に再度「保育所あり方検討懇話会」を設置し、保育所の今後のあり方について、保育園の統合と民間活力導入の新たな提言をいただきました。
その提言に基づき、市の計画案を平成18年に「保育所運営審議会」に諮問し、委員が保育現場や地元へ出向いて、職員や保護者等の生の声を聴いたうえで24回の議論を重ね、平成20年に答申が出されました。
市ではその答申に基づいて改めて公立保育園の施設整備計画を策定し、平成22年度には須坂南保育園の民間活力導入による民営化をはじめ、順次建て替えを進めてきました。 途中、井上保育園と千曲保育園の統合計画の見直しを行い、平成27年度には最後の豊丘保育園の建設工事が行われ、全ての公立保育園の整備が終了しました。
提言等の内容(整備計画に関することのみ抜粋)
- 「保育所問題懇話会」
原則として小学校通学区単位に1保育園とする。 - 「保育所あり方検討懇話会」
- 原則として小学校通学区単位に1保育園とする。ただし、統合は現状の最大規模(150人定員)を超えないものとする。
- 経験豊かな社会福祉法人等の民間活力の導入を考慮し、保育サービスの拡充を目指す必要がある。
- 「保育所運営審議会」
- 市の諮問に対し、園児や保護者、地域住民への影響に配慮して計画を進めるよう答申。
- (計画変更)井上保育園と須坂千曲保育園の統合については、統合した場合に180人規模の大規模園となること、また、日野地域の児童の増加を踏まえ、須坂千曲保育園を井上・日野両地域からの受入れ可能な場所に移設し、それぞれ単独改築とすること。
統廃合計画の推移

各園の整備概要
園名 | 定員 | 建設完了 | 開園月 | 敷地面積 | 延床面積 | 建設費(注釈1) |
---|---|---|---|---|---|---|
須坂東部 | 150人 | 平成12年3月 | 4月 | 3,975平方メートル | 1,477平方メートル | 3億2,183万円 |
日野 | 150人 | 平成14年3月 | 4月 | 3,813平方メートル | 1,119平方メートル | 2億3,972万円 |
小計:5億6,155万円
園名 | 定員 | 建設完了 | 開園月 | 敷地面積 | 延床面積 | 建設費(注釈1) |
---|---|---|---|---|---|---|
仁礼 | 120人 | 平成24年2月 | 4月 | 4,455平方メートル | 1,311平方メートル | 2億7,325万円 |
須坂 | 120人 | 平成25年1月 | 3月 | 2,463平方メートル | 1,105平方メートル | 3億2,844万円 |
高甫 | 90人 | 平成25年2月 | 4月 | 3,350平方メートル | 916平方メートル | 2億5,217万円 |
相之島 | 60人 | 平成26年2月 | 4月 | 5,644平方メートル | 797平方メートル | 2億5,604万円 |
須坂千曲 | 60人 | 平成26年7月 | 8月 | 4,455平方メートル | 817平方メートル | 2億6,030万円 |
北旭ヶ丘 | 90人 | 平成27年1月 | 3月 | 3,026平方メートル | 909平方メートル | 3億1,136万円 |
井上 | 120人 | 平成27年3月 | 4月 | 4,780平方メートル | 1,152平方メートル | 3億8,286万円 |
豊丘 | 60人 | 平成27年11月 | 平成28年1月 | 3,000平方メートル | 623平方メートル | 2億4,732万円 |
小計: 23億1,174万円
(注釈1) 建設費は、建築主体工事、機械設備工事、電気設備工事の合計請負額。
(設計・監理委託費、用地購入費、備品購入費、立木補償料等は含みません。)
計
- 1,020人
- 28億7,329万円
財源確保
補助金関係
施設整備にあたり、国・県の補助金等を積極的に活用し、財源の確保に努めました。
補助金等の活用にあたっては、国の補正予算による経済対策まで見据えて準備を行ってきたため、より多くの補助金を確保することができました。
補助等事業内容 | 補助等金額 |
---|---|
保育所施設整備事業(注釈1) |
1億2,322万円 |
木造公共施設整備事業 |
4億5,245万円 |
地域の元気交付金 |
1億2,899万円 |
新エネルギー導入促進事業 |
1,946万円 |
都市再生整備事業 |
5,686万円 |
計 |
7億8,098万円 |
保育園名 | 補助等事業内容 | 補助等金額 |
---|---|---|
須坂東部 |
保育所施設整備事業(注釈1) |
1億2,322万円 |
仁礼 |
木造公共施設整備事業 |
6,000万円 |
高甫 |
木造公共施設整備事業 |
6,960万円 |
相之島 |
木造公共施設整備事業、地域の元気交付金 |
1億6,929万円 |
須坂千曲 |
木造公共施設整備事業 |
6,500万円 |
北旭ケ丘 |
木造公共施設整備事業、地域の元気交付金、新エネルギー導入促進事業 |
1億836万円 |
井上 |
木造公共施設整備事業、地域の元気交付金 |
1億2,495万円 |
豊丘 |
都市再生整備事業、地域の元気交付金 |
6,056万円 |
計 |
なし |
7億8,098万円 |
(注釈1) 平成16年度の三位一体の改革により、公立への保育所施設整備事業は廃止。
市債関係
施設整備には多額の費用が掛かるため、上記の補助金のほかに市債(借入金)を積極的に活用しました。
市債は、借入金ではありますが、償還時にその一部が国から地方交付税として措置されたり、多額の費用が必要な施設整備などのハード事業を行う際に、財政上の収入支出の年度間調整や住民負担の世代間の公平を確保するための調整をするものです。
特に、国の補正予算による補助金を活用した場合は、市が負担すべき金額(補助裏分)へ市債を全額充当できるので、財源組み立てに工夫を凝らした整備を行いました。
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更新日:2024年03月26日