【最新号の特集】広報須坂6月号

更新日:2025年05月30日

ページID: 5656

安心・安全な水道水を守るために

3枚の組み写真。1枚目は上空から見た坂田配水場(円形の配水池など水道施設が写る)、2枚目は地震被災地給水応援(須坂市水道局のビブスを着けた職員が「飲用水」と書かれた給水車からポリタンクに水を入れ、受け取りに来た人に渡している)、3配水管から漏水する様子(マンホールの隣にある配水管の蓋から水が噴き出し、周囲に水たまりを作っている)

生活において「当たり前」の存在となっている水道。しかし、その水がどこから来ていて、どんな場所を通って私たちの元に届いているのか、意識したことのある人は少ないのではないでしょうか。
今月の特集では、市の水道の仕組みや、きれいな水を届けるために行われていること、将来にわたり安心・安全な水道水を守り続けていくための取り組みを紹介します。

写真(上)上空から見た坂田配水場(左)地震被災地給水応援(右)排水管から漏水する様子

水道水が届くまで

水を使いたい時、蛇口をひねれば水が出る。当たり前のように感じることですが、水道水は多くの過程を経て、私たちの元に届けられています。

ステップ1 取水する

川や地下水などから水を取り入れます。須坂市では、豊丘ダム下流の灰野川や地下水など、27の水源から1日合計2万4,000立方メートルの水を取水しています。

ステップ2 浄水場で飲み水にする

取水した水は、浄水場で土砂などを取り除き、消毒を行い、飲用可能な水にします。八町・豊丘・仙仁・塩野・西原・米子・峰の原の7つの浄水場が稼働しています。

ステップ3 配水池に貯める

浄水場で作られた水道水は、一度配水池に貯められます。配水池から、時間・季節に応じて、それぞれに適した量の水道水が水道管に送られています。

ステップ4 水道管を通って家庭や施設へ

安全な水道水を作っています~塩野浄水場の内部を紹介~

コンクリートでできた四角いプールのような施設が見える

塩野浄水場

市内7カ所の浄水場のうち、最も多くの水道水を作っているのが塩野浄水場です。急速ろ過という方式で、1日に9,500立方メートルもの水の浄化を行っています。

 

1日の浄水量9,500立方メートルは、学校のプール約26個分に相当します(縦25メートル、横12メートル、深さ1.2メートルと仮定)。

監視室で水質を常に監視

浄水場では、24時間365日、原水(原料となる水)から浄水(処理された水)ができるまでの各工程で水質を監視しています。また、原水と浄水で金魚を飼い、金魚の行動を観察することで異常の早期発見に努めています。

複数のモニターが並んでいる部屋

監視室

水槽に15匹ほどの金魚がいる

金魚の水槽

浄水池

円柱状の建物

浄水池

浄水場に付属して、浄水を貯めておく浄水池があります。坂田浄水場の配水池と南原配水池に配水しています。

浄水地建設工事を行っています

地震などにより配水管が破損した際の断水に備え、緊急給水拠点として新たに浄水池1基を現在建設中です。
完成後は、既存浄水池の維持管理作業時のバックアップとしても使用でき、メンテナンス性の向上が期待できるほか、貯水量増加による供給の安定化の観点からも、大きな役割を果たす施設となります。

漏水調査と修理工事を随時行っています

水道管の漏水は、高額な経費をかけて取水・浄水・配水した水道水を無駄にすることです。市では、水道管が漏水していないか随時調査を行っており、2024年度は約60件の修理工事を実施しました。

地道でも大切な漏水調査

水道管は道路下の地中にあるため、漏水を発見するためには特殊な器具で音を聴き、場所を特定する必要があります。漏水箇所を発見した後は、少しでも早く漏水を止めるため、昼夜を問わず早急に修理工事を行います。
地道な作業ですが、無駄を削減する重要な施策として漏水の早期発見・早期修理に取り組んでいます。

ヘルメットをかぶった職員が、道路にしゃがみ込み、丸い蓋を開けたところに長さ50センチメートル程の棒をあてて音を聴いている

「音聴棒」で音を聴きます

夜間、水道管が見えるように掘り上げられた大きな穴の中に入って、作業員2人が作業をしている

修理工事の様子

調査効率の向上、早期発見のため衛星解析による漏水調査を実施しました

2024年度、調査効率の向上や漏水箇所の早期発見を図るため、「人工衛星画像データのAI解析による漏水調査」を、県交付金を活用して実施しました。
従来の漏水調査は、浄水場で24時間観測している配水量の増加から推測される漏水や、経験的に漏水が発生している可能性が高い区域を対象に行っていました。この調査では、人工衛星から取得した衛星画像と水道管路の位置情報とを重ね合わせ、AI解析することで漏水の可能性の高い区域を特定し、調査区域を絞り込みます。人工衛星から地表にマイクロ波を照射すると水道水が特有の反射波を返す点に着目して漏水を発見する技術で、漏水調査の省力化・効率化が期待できるデジタル技術です。
市内全域の水道管の延長約450キロメートル、給水区域面積5,269ヘクタールを対象に調査し、絞り込みの結果、漏水可能性のある箇所が半径100メートルの円で約130カ所ありました。

人工衛星から水道水に向かう矢印に対して細かい波線が跳ね返ってくるイメージと、非水道水に向かう矢印に対して緩い波線が跳ね返ってくるイメージが対比して描かれている
調査結果に基づき現地調査を行います

人工衛星画像データのAI解析による漏水調査の結果に基づき、2025年度に現地調査を行います。漏水の可能性の高い区域に対し、専門業者に委託し、現地で調査を行います。調査にあたり調査員が敷地内に入らせていただくことがありますので、ご理解とご協力をお願いします。

調査場所 道路上の消火栓や仕切弁、民有敷地内の止水栓や水道メーター

ご注意ください

  • 調査員がお客様の建物内に入ることは原則ありません。
  • 調査員は、他の調査を勧めたり、各種器具の販売行為や勧誘を行うことはありません。
  • 調査員は必ず「漏水調査」の腕章を着用していますが、不審に感じた場合は名刺などの提示を求めてください。
  • 調査にかかる費用は無料であり、お客様に金銭の要求をすることはありません。

水道事業経営戦略を改定し料金の改定を検討しています

須坂市の給水普及率は、2024年3月末時点で99.9パーセントに達し、ほとんどの方が水道サービスを利用できるようになりました。一方で、人口減少や水需要の低下、水道施設の老朽化、大規模地震をはじめとする自然災害や水質事故などへの対応により、将来にわたる安心かつ安全な水道の維持が危ぶまれる時代を迎えています。

水道事業経営戦略を改定しました

安心かつ安全な水道の維持が危ぶまれる中、50年、100年後の将来を見据えた目標を具体化し、実行していくため、2025年3月、水道料金等審議会への諮問、答申を経て、水道事業経営戦略を改定しました。
計画期間は2025年度から2034年度の10年間とし、この経営戦略に基づき、水道料金改定の検討など、水道事業の健全経営を持続していくための長期展望に立った事業経営に取り組んでいきます。

どうして今、水道料金の改定を検討しているのですか?

人口減少に伴い料金収入が減少していく中で、老朽化した施設の更新や、近年多発している自然災害に対する施設の耐震化などにより、必要となる多大な費用の負担を先送りせず、世代間で公平に負担し、備えていくためです。

改定後の水道事業経営戦略では、現状分析により、今後20年間で必要な投資額として年間平均5億8,600万円(うち資産維持額として2億2,600万円)を確保していくために、約30年間据え置いてきた水道料金を改定する必要性が示されました。2027年4月に9パーセント値上げとなる水道料金改定を行い、その後も、定期的に9パーセント値上げの料金改定を行っていく必要があるとされたため、現在、水道料金の改定を水道料金等審議会に諮問し検討を行っています。

折れ線グラフ。資産維持額2億2600万円のラインに対し、当期純利益の額が2023年度時点で達していない。料金改定をしない場合の線は、2023年度以降右下がりになっている。定期的に料金改定をした場合の線は、2027年で上がり、その後も階段状に上がり、2037年度には資産維持額のラインを超える。

資産維持額を考慮した当期純利益などの見込み

どうして年間5億8,600万円も投資する必要があるのですか?
日本地図。須坂市から青森に向かって矢印がある。

須坂市には水源が27カ所、浄水場が8施設、配水池が54カ所と、多くの水道施設があります。また、地中に張り巡らされた水道管の総延長は450.9キロメートルに及び、この距離は須坂市から青森県までの直線距離に相当します。
さらに、水道事業は供用開始後100年以上を経過していることから、水が止まらないように、大規模地震などの自然災害に備え、施設を維持・更新していくための費用がかかります。

コンクリート製の四角い構造物、上部には芝が敷き詰められている。

坂田配水場第1配水池(1926年建設)

コンクリート製の四角い構造物、上部には芝が敷き詰められている。

豊丘浄水場緩速ろ過池(1958年建設)

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電話番号:026-248-9012

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