市長のコラム 2025年2月

更新日:2025年03月21日

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2025年2月27日(木曜日)

平和・非戦80年(2025年は戦後80年、非戦80年の年)

1.坂本龍太朗さん講演会「今、ウクライナの子ども達は」

2025年2月21日(金曜日)、須坂市立東中学校で「今、ウクライナの子ども達は」と題した講演会が、生徒会主催で開催されました。
講師は、ロシアから侵攻されているウクライナ支援を続けている、ポーランド在住の坂本龍太朗さん(千曲市出身、和太鼓奏者。ポーランドのワルシャワ日本語学校教頭)です。生徒会の自主的な運営に感心しました。

坂本さんのメリハリのある具体的な内容の講演に、中学生は真剣に聞き入っていました。東中学校の目標「三心自立」の「学ぶ心」「思いやる心」「鍛える心」を引用し、ウクライナなど困っている人への「思いやる心」の大切さ、さらに東中学校に設置されている二宮尊徳像を例に、ウクライナの子どもたちは学ぶことに熱心であることなど、身近な例で分かりやすく講演されました。ウクライナで実際に学校に着弾したミサイルの破片を見せながら、学校の窓ガラスがほとんど割れてしまったという事例は衝撃的でした。

講演の後、ウクライナから届いた絵画を須坂市に贈呈していただきました。ポーランドとウクライナの国旗を猫の友情として表現した作品とのことです。ありがとうございました。

坂本さんの講演から

  • ロシアの侵攻開始から2月24日で3年になるが、我々日本人が無関心にならないことが一番大切。
  • 「坂本さんは、どんな理由で支援するのですか?」と尋ねられるが、「困っている人を助けるのは理屈ではない」と答えているとのこと。
  • 3年近くウクライナを離れて暮らしているウクライナの子どもたちは、ウクライナ語やウクライナ文化などが薄れつつある。(三木:日本人だから日本語を話せるではなく、日本語を話せる環境にいるから日本語が話せる。日本もコロナ禍により地域の文化が衰退したのと同じ。)
  • 平和の幸せ・大切さ。非戦80年の幸せ。

 

 

「聞くウクライナ支援」のお願い
4000円以上の募金をしてくださった方に対し、チャリティーCD祈(非売品)を返礼として送ります。教育支援として、CD1枚につきウクライナの子ども5人にノートが届きます。

2.平和の幸せ・大切さ。非戦80年の幸せ

大ヒット映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」
この映画の製作委員会は、「松竹、澄和、スターツグループ、スターツ出版、研音、日本出版販売、コロナワールド、松竹ブロードキャスティング」です。須坂市ご出身の村石久二様は、澄和、スターツグループ、スターツ出版の役員をされています。

村石久二様は、「少しでも平和な世界の実現に貢献したい。」との想いから平成27年3月27日に、一般財団法人「澄和(とわ)」を設立されました。

「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」の原作者・汐見夏衛さんは、「授業で戦争を題材にしたとき、生徒の反応はどうだったんですか?」の問いに対して、「みんな素直に向き合ってくれました。ただ普段、戦争に関するものを見ていない今の子どもたちにとっては、戦争の実話を題材にした教材はちょっと衝撃が大きすぎたみたいで、感情を引っ張られてすごいドヨーンってしちゃうというか…。修学旅行で広島平和記念資料館にも行ったんですけど、火傷の写真やケロイドの写真を前に、目を隠して泣きながら「もう見たくない」って。生々しいものを見ると、目を背けてしまったんです。」と答えています。この状態から、「トラウマにならず、戦争に関心を持つきっかけになる、もうちょっとマイルドな作品があるといいなと」との思いから小説を書かれたとのことです。

映画を見た学生が、他人事ではないと次のような行動をとりました。

 

(三木:特に11分40秒からの部分をご覧下さい。)

 

(三木:特に18分50秒からの部分をご覧下さい。)

 

(NHKプラスは、NHK番組の同時・見逃し配信をインターネットで行っています。登録すると無料で視聴できます。便利です。)

3.母親。おかあさん。

「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」特攻隊員の彰が母親へ宛てた手紙
「母上様、日本女性の鑑たる強く優しき母に愛されて育ち、彰は幸せでした。どうか泣かないでください。悲しみではなく喜びの死です。彰には何も思い残すことはありません。生前の親不孝をお許しください。お先にあの世へ行って、のんびりとお待ち致しております。いつまでも、いつまでもご達者で」
お母さんへの手紙は、お父さん宛てのものに比べると、ずいぶん優しく柔らかな線で書かれていた。あぁ、これも彰だ、と思う。まっすぐな強さと、おだやかな優しさ。その両方を持った人。

 

2月23日(月曜日)、モンゴル出身の馬頭琴奏者セーンジャーさんの演奏会がbotaで開催されました。
セーンジャーさんは「お母さんのいるところがふるさと」とおっしゃいました。「ふるさとはお母さん」とモンゴルでは社会一般的に言われており、その背景にはモンゴルで「お母さんは全て」と言うアイデンティティがあるとのことです。

 

映画「シンペイ~歌こそすべて~」から
中山晋平は、「母ちゃんが歌える歌をいっぱい作って」という、母との約束を守り、母の死の直後にも悲しみの中、「ゴンドラの唄」を作曲。日露戦争、関東大震災、太平洋戦争という激動の時代、晋平はなぜこれだけの曲を手掛けたのか?そこには母子の永遠不滅の愛が原点にあった…

2025年2月20日(木曜日)

2025年度一般会計当初予算案(要旨)

歳入では、主な一般財源である市税と地方交付税の合計額は、前年度比で約8億円の増収を見込んだものの、増収額以上に人件費の増加及び物価高騰等の影響を受ける大変厳しい予算編成となりました。(三木:人件費増、物価高騰、社会福祉費増、金利上昇などが財政難になっている地方自治体が増えています。)
移住定住施策の推進を図るため、庁内プロジェクトチーム結成による強化を図るなど、予算には直接表れない課題解決にも注力したほか、国の補助事業や基金、市債も有効に活用しながら、メリハリの効いた予算編成に配慮しました。
その結果、一般会計予算総額は、前年度当初予算額対比41億7,000万円、15.4パーセント増の312億円となりました。高機能消防指令情報システムの共同化や、老人福祉センターくつろぎ荘長寿命化改修工事などの大型事業を数多く盛り込んだほか、人件費をはじめとする物価高騰が予算規模を押し上げ、当初予算としては初めて300億円を超える過去最大の予算となりました。(三木:過去最大の予算となっても誇れることではありません。予算額の大小で比較するのではなく、真に市民益になっているかで判断をすべきと考えています。)

【2025年度の主な重点事業】

1.安心・安全なまちづくり

孤独・孤立について、人と人との「つながり」を実感できる地域づくりを進めるため、「孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム推進事業」を引き続き推進します。また、2025年4月から予防接種法上のB類疾病として、帯状疱疹ワクチンの定期接種を開始します。
水害時の行動計画である、コミュニティタイムラインを中島町及び福島町で作成し、予定を1年前倒しして千曲川沿いの5町全てでの作成を完了するほか、防災行政無線の機能強化等により活用可能となる防災アプリを導入し、防災行政無線による放送内容の周知徹底等を図ります。また、これまで取り組んできた、長野市との消防指令業務共同化については、2026年度運用開始を目指し準備を進めてまいります。(三木:共同化に取り組んでいただく長野市に感謝申し上げます。これからは、一層、市町村連携が必要です。例えば、それぞれの市町村が設置して公共施設も、できるだけ相互使用ができれば自治体の負担軽減になります。)

  • 高機能消防指令情報システム更新…4億4,301万円(消防本部)
  • 帯状疱疹ワクチン定期接種の開始…3,200万円(健康づくり課)
  • コミュニティタイムライン作成…690万円(総務課)
  • 須坂市防災行政無線機能強化工事…1億6,240万円(総務課)


2.公共施設の最適な配置と適正管理

利用する児童数の増加で手狭となっている井上児童クラブを、災害時の避難場所にもなっている井上地域公民館と集約し、児童クラブと地域公民館、地域防災拠点施設の3つの機能を兼ね備えた「複合地域交流施設」として整備に着手します。複合施設により、建設費の軽減、子どもと大人の交流、高齢者の使用しやすい施設など効果が生じます。井上地域公民館で開催した説明会には、大勢の市民の方にご出席いただき、大変有意義な説明会を開催できました。感謝を申し上げます。
また、有利な市債を活用して、世界の民俗人形博物館及び笠鉾会館の空調設備改修工事などを実施しますが、公共施設については長期的視点による更新・統廃合の検討が喫緊の課題となっていることから、「公共施設等総合管理計画」を見直します。

  • 世界の民俗人形博物館及び笠鉾会館空調設備改修工事…2億6,027万円(文化スポーツ課)
  • 井上地域公民館・井上地域児童クラブの複合化…9,516万円(生涯学習推進課)
  • 公共施設等総合(個別)管理計画の見直し(総務課)


3.人口減少抑制対策の推進

「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の改訂を通じて、各施策の見直しを行います。移住定住に関係する庁内のプロジェクトチームを結成するとともに、民間との連携も強化し、移住定住者の増加を目指します。また、民間事業者へ婚活支援を委託し、事業者が持つノウハウを活用して、若者の成婚件数増を目指します。
空き家対策では、周辺の住環境に対する悪影響に加え、物価高騰に伴う解体費用の増加で、空き家のまま放置されている場合もあることから、空き家・空き地の有効活用について、公民連携で取り組むとともに、宅地として活用するため老朽危険空き家の解体等に対する補助金を新たに創設します。
地方創生推進事業(恋人の聖地)では、2021年度からの第2弾と2022年度からの第3弾により、交流人口及び関係人口、移住定住者の増加を目指します。

  • 庁内・公民連携強化による移住定住施策の推進(政策推進課ほか)
  • 空き家解体等への補助…500万円(まちづくり課)
  • 結婚支援事業の拡充…438万円(政策推進課)
  • 須坂産果物の果樹振興事業…600万円(農林課)
  • 観光PR業務委託・・800万円(商業観光課)
  • 文化財情報デジタル化事業…1,800万円(文化スポーツ課)
  • 恋人の聖地第2弾(2021年~2025年)…25年度7,298万円
  • 恋人の聖地第3弾(2022年~2026年)…25年度1億1,284万円


4.子どもは宝プロジェクトの推進

任意健診とされている生後1か月児健診については、ほぼ全ての母子が受診していることから、国の補助制度を活用し新たに公費負担とするほか、県立信州医療センター小児科における診療体制拡充の試行実施を継続し、子育て世帯の不安解消を図ります。
昨年末に公表した「須坂学園構想」基本方針案について、幅広く意見を聴取し、基本方針の決定に向け準備を進めるほか、児童生徒の減少により、県の配置基準に満たない学校には市費で教員を加配するなど、児童生徒の学力保障及び 学びの環境を支援します。
物価高騰の影響を受けている小中学生の子を持つ世帯の負担軽減を図るため、国の交付金を活用し、保護者が負担する学校給食費の一部を公費負担としたほか、老朽化が著しい須坂小学校の大規模改修工事については2年計画で工事に着手します。

  • 1か月児健康診査の公費負担…205万円(健康づくり課)
  • 新しい学校づくり基本方針策定…57万円(学校教育課)
  • 須坂小学校等大規模改修工事…2億2,650万円(学校教育課)
  • 小児医療体制確保事業負担金…700万円(健康づくり課)
  • 市費による講師配置事業…1,511万円(学校教育課)
  • 国の交付金を活用した学校給食費の一部公費負担…1億339万円(学校教育課)


5.須坂長野東インター周辺開発の市全体への波及効果

本年秋開業予定の「イオンモール須坂」内に「(仮称)須坂市ブース」を設置し、当市の物産販売や観光PRの強化を図ります。また、市内外から多くの来客が見込まれる「イオンモール須坂」での買い物時に付与されるポイントを活用し、市内店舗への誘客・連携を図るほか、国の交付金を活用し、キャッシュレス決済の促進と、ポイント還元による地域経済の活性化を図ります。
「イオンモール須坂」内に開園予定の認定こども園や、インター周辺開発区域内への進出企業を支援し、「イオンモール須坂」開業を機として広域観光に取り組みます。

  • 物産販売観光振興業務委託(仮称:須坂市ブース)…800万円(商業観光課)
  • キャッシュレス決済消費喚起事業…4,500万円(商業観光課)
  • 民間保育所等改修費支援事業補助金…797万円(子ども課)
  • 企業立地振興事業補助金…4億178万円(産業連携開発課)

 

6.持続可能な行財政基盤の構築

「第六次須坂市総合計画・後期基本計画」の策定を通じて、各施策の見直しを行います。また、「DX推進計画」を策定し、業務の合理化による経費縮減及び市民サービスの向上を目指します。
近年の物価高騰等に伴い、公共施設の維持管理費が大幅に増加し、本来は受益者負担で賄うべき範囲に不足が生じていることから、公共施設のあり方の検討を踏まえ、施設使用料の改定準備を進めます。また、2025年度の当初予算編成から、各部局に一般財源をシーリングのうえ配分し、その範囲内で予算編成を行う「部局長裁量枠」を導入した結果、職員の意識改革等を含めて一定の成果を得ることができました。今後も収支均衡の財政運営を目指して、「聖域」を設けることなく、将来世代に恥じない改革を行います。

  • 「第六次須坂市総合計画・後期基本計画」の策定…676万円(政策推進課)
  • 「(仮称)健全財政維持プログラム2025」の策定…(財政課)
  • DX推進支援業務委託…305万円(政策推進課)

 

【特記事項】

「信州須坂ふるさと応援寄附金」と財政運営

2024年度決算見込額は約48億5,000万円となる見通しですが、あくまで寄附金であり「安定財源」ではありません。他の自治体でも「ふるさと納税」が急激に減少し、財政運営に支障をきたす事例が報道されており、「他山の石」として教訓にしなければなりません。
(三木:県外の事例ですが、3つの町が合併した某町は、合併特例債を活用しましたが、合併特例債の期限が切れた10年後に財政非常事態宣言をしました。これは、少子高齢化により、住民税など町の収入が減ったこと、合併から10年後には、国からの交付金が減らされることがわかっていたのに、財政運営を見直さなかったことが原因です。)

「信州須坂ふるさと応援寄附金」については、必要経費を 差し引いた額を基金へ積み立て、翌年度に繰入金として全額充当しておりましたが、本年度より実施計画事業や重点施策等のみに充当し、いわゆる経常経費に対する繰り入れを取りやめたことから、今回取り崩しをやめた約6億5,000万円の信州須坂ふるさと応援基金残高については、今後見込まれる真に必要な事業の財源として留保することにいたします。

人件費の増加や物価高騰により、歳出総額が大幅に増加している中、「ふるさと納税」に頼らない財政運営を徹底した場合の収支見通しでは、今後も多額の赤字を出し続け、収支差を穴埋めするため財政調整基金を取り崩していくと、3年後の2027年度には基金がほぼ枯渇する見込みとなりました。このため、大胆かつきめ細やかな「温かみのある」財政改革に取り組み、真に必要な事業の財源確保と、収支均衡の財政運営を目指してまいります。

2025年2月13日(木曜日)

「出逢いは学びと感謝」と「障子を開けてみよ外は広いぞ」

令和7年が幕を開けました。

私は、須高地区労働者福祉協議会、消防出初式、二十歳を祝う会、全国および長野県市長会、須坂商工会議所を始めとした産業関係会議、区新年会、男女共同参画いきいきフォーラム、女性から選ばれる長野県を目指すリーダーの会、須坂市文化芸術協会、信州学び円卓会議等、さまざまな催しに出席をさせていただきました。

そのなかで、性別、年齢を問わず、国際的視野で真摯に人生や社会に向き合い、誇りを抱き行動をされている方々から私が学んだことは「出逢いは学びと感謝」であり、当時の豊田章一郎トヨタ自動車株式会社名誉会長のご講演(注釈)で教えていただいた「障子を開けてみよ外は広いぞ」という豊田佐吉翁の言葉を思い出しました。
 


豊田佐吉物語「さらなる挑戦」の章で、上海での事業展開に懸念する周囲の人びとに対して佐吉は「障子を開けてみよ。外は広いぞ」と語ったと伝えられている。

「第六次総合計画後期基本計画」の策定および「須坂市人口ビジョン、まち・ひと・しごと創生総合戦略」の改訂にむけて、総合計画審議会を、2月7日に開催しました。会長に信州大学特別栄誉教授であり、須坂市名誉市民の遠藤守信様、副会長に市社会福祉協議会長の豊田清寧様が選任されスタートしました。


今後、総合計画審議会の答申を賜り、性別、年齢を問わず、市民が誇りを抱き、共創でグローバルな須坂市を築いて行けるよう計画を策定したいと考えております。

【注釈】
豊田章一郎トヨタ自動車株式会社名誉会長のご講演(2006年6月26日、メセナホールで開催)
遠藤守信先生の大変なご尽力で実現しました。
豊田名誉会長は、今後の日本経済のあり方として、環境に配慮したものづくり、少子高齢化社会への基盤づくり、海外からの観光客誘致の必要性を挙げ、若者に向けて、「夢を描き、夢を語りながら挑戦する者に実現のチャンスが到来する」と講演されました。
(三木:僭越ですが、18年前に現在の重要課題を提示されていました。)

2025年2月6日(木曜日)

節分

もともと節分は「季節を分ける」ということで、年に4回訪れる立春・立夏・立秋・立冬の前日を指す言葉でしたが、今では、旧暦で1年の始まりの時期にあたる「立春」の前日のみを「節分」と呼ぶようになりました。また、節分といえば、2月3日と思いますが、実は、立春の前日なので、今年は2月2日になります。したがって、豆まきも2月2日になります。

 豆まきは、1年の初めの季節の変わり目に、1年の無病息災を願って行われます。息災には、災害、病気、飢饉など災いを鎮めるという意味があります。豆を投げるのは、穀物には邪気を払う力があると考えられ、また、「魔を滅する=魔滅(まめ)」に通じ、さらに「魔を射る(射る=炒る)」ために、「炒り豆」が使われます。わが家では、近年は、炒った落花生を使用しています。
 今年は戦後80年、昭和100年です。世界では紛争が起こっています。平和の中で季節行事が行えることは幸せです。そして、家族で豆まきをし、節分料理を食べることは、子どもにとって人生の良き思い出になります。

 2月上旬は1年で最も寒い時期ですが、2月後半になると徐々に春が近づいてきます。希望の春、新年度のスタートの準備の時期でもあります。

(広報須坂市2025年2月号「市長のいきいき通信」から)

【鬼は内、福は外?】
「鬼は内、福は外」というのは、京都府福知山市の大原神社の節分の掛け声。なぜ鬼は内なのか、「大原神社」では2つの説が伝えられている。

1つ目は、ちまたにいる悪い厄(鬼)を神によって改心させるために、鬼を神社の内に迎えいれて(鬼は内)、改心したものを氏子の各家庭に出す(福は外)という意味でこの掛け声になったという説。
2つ目は、大原神社は丹波国綾部藩の領地にあり、藩主が「九鬼(くき)氏」であったため「鬼(藩主)を外に追いやるわけにはいかない」として「鬼は内」の掛け声になったという説。
 


【ナマハゲと鬼】
先日開催された全国市長会で、秋田県男鹿市の菅原広二市長と名刺交換をしました。男鹿市は、ユネスコ無形文化遺産であり国の重要無形民俗文化財でもある「ナマハゲ」が有名です。名刺でも「ナマハゲ」が紹介されていました。私は以前からナマハゲのような伝統を継承する民俗行事に興味を持っていました。
男鹿の人々にとってナマハゲは鬼ではなく、怠け心を戒め、無病息災・田畑の実り・山の幸・海の幸をもたらす、年の節目にやってくる「来訪神」ということを知りました。ナマハゲは、家族が元気で暮らしているか、作物の出来はどうかを質問します。その後、次の年の無病息災や豊作を祈願し家を去るのです。そして次の家へ向かいます。幼い子供たちはナマハゲが来たときの記憶が残り、「ナマハゲがくるぞ」と親が言うと、言うことを聞くことが多いそうです。
 


ナマハゲには角があるため鬼だと思われるが、鬼ではない。「本来、鬼とは無縁の来訪神であったが近代化の過程で鬼と混同され、誤解が解けないまま鬼の一種に組み込まれ、変容してしまったという説がある」と知りました。

男鹿市役所では、職員全員が同じ方向を向いて仕事に取り組むための指針「なまはげの里フィロソフィ」を策定されています。
 


全国の市町村長との出会いから、今回と同じで学ぶことが多々あります。ありがたいです。

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