市長のコラム 2024年4月
2024年4月25日(木曜日)
須坂市制施行70周年記念公演「チュイチュイ~左手のバイオリン弾き~」
昨年3月に長野市で観劇し、大変感動した作品がこの「チュイチュイ~左手のバイオリン弾き~」です。すぐに「もう一度観たい」と思ったのを今でも明確に覚えています。
「チュイチュイ」はバイオリンパフォーマー牧美花さんの半生を描いた、愛と感動のファンタジー&ドキュメンタリーミュージカルです。2022年の初演から計8都市で上演され、多くのみなさんから賞賛の声が多数寄せられた公演で、5月12日に須坂市制施行70周年記念公演として須坂市メセナホールでの公演が予定されています。
脚本・演出の青木由里さん(NPO法人劇空間夢幻工房理事長)は、現状に満足せず、常により良い舞台を作ろうと進化させていく方なので、5月12日のメセナホールではどのような舞台になっているかとても楽しみです。
このバージョンアップした「チュイチュイ」を、須坂市民をはじめ多くのみなさんに是非ともご覧いただきたいと願っていますが、まだまだ公演情報が広く行きわたっていないのが残念でなりません。本当に、ご覧いただかなくてはもったいないミュージカルです。
【作品のあらすじ】
左手が不自由な主人公のミカちゃんは、2歳8ヶ月の時、お姉さんが通うバイオリン教室で、生涯の師・鈴木鎮一先生から「お嬢ちゃん、バイオリンを弾いてみない?」と声を掛けられ、ミカちゃんは、コクンと頷きます。
不安げなお母さんに鈴木氏は「どの子も育ちますよ」と優しく語りました。
ミカちゃんは、家族、先生、周囲の人々の愛と励ましに支えられ、数多の苦難や悲しみを乗り越えていきます。鈴木先生の理念「どの子も育つ 育て方ひとつ 人は環境の子なり」などの教育観も示され、小さなお子様からご高齢の方まで、それぞれの視点で楽しめる感動作です。
NPO法人劇空間夢幻工房は、毎年、須坂市で小学生が演じる「キッズ・シアタープロジェクト直虎」発表会を制作すると共に、小布施町文化事業活性化実行委員会主催の市民劇も制作されています。小布施町文化事業活性化実行委員会は民間主体ですが、規模の大きな市民劇を主催される小布施町の文化の高さにいつも感心しています。今年3月に小布施町で上演した歴史劇「ふたつ星は北斗のごとく~北斎を引き寄せた貴人鴻山伝~前編」は、葛飾北斎が高井鴻山の招きで小布施を訪れるまでの物語で、二人の出会いから繋がりが深まっていく出来事と、それぞれの人間性が描かれています。青木由里さんの演出・脚本は「歴史を見せる」のではなく「人間を魅せる」舞台だと感じました。
進化した「チュイチュイ」では、どんな人間を魅せてもらえるのでしょうか。どうぞご期待ください。
2024年4月18日(木曜日)
随処に主となる(幸福とは)
4月は入学、就職、人事異動など、さまざまなスタートの時期です。
私は長野県職員在職時、人事異動で第三者から「左遷」と言われたことがあります。しかし、「給料をもらっているのだから全力を尽くすべき、左遷と考えること自体がうぬぼれ、職場に極めて失礼」と思い全く気にしませんでした。異動後も信頼できる仲間との付き合いに変化はなく、新しい職場で得た経験は今でもプラスになっています。
臨済宗に「随処に主となれば立処皆真なり」という言葉があります。「いつどこにあっても自己を失わず主体的に生きれば、どんな環境にいようとも翻弄されることはない」という意味です。「子どもが学校に合格したが、大した学校ではない」と言った人に、ある人が「その学校で何をするかが大切。随処に主となればいい」と伝えていました。
いわゆる成功者といわれる方とお話をすると、己を失わず主体的に生きているので他人と比較しませんし自慢もしません。どんな環境にいようとも翻弄されることなく、前向きに対応し、困難を克服しようとされています。自己の哲学を持っています。
慶應義塾大学大学院の前野隆司教授は次のように述べています。
「日本人は幸せを感じることが下手になっている。こんなにおいしい牛丼がたった400円で食べられるなんて、自分はなんて幸せだろうと感じるか、400円の牛丼しか食べられないなんて、自分はなんて不幸だろうと感じるか。感じ方で幸福度は決まる」
「自分は不幸」と思う日本人がやたら多い不思議(東洋経済オンライン) から引用
https://toyokeizai.net/articles/-/353274
新たなスタートを迎える皆さんの幸せとご活躍をお祈りしています。
2024年4月11日(木曜日)
ワイン&肉フェスタin須坂 2024
須坂市地域おこし協力隊の北直樹隊員を始めとした有志の皆さんによる「ワイン&肉フェスタin須坂」が本年度も開催されます。
昨年、須坂駅前イオンの屋上で開催し大好評でした。
北隊員は須坂市の地域おこし協力隊ですので須坂市の公務員という位置づけになりますが、その活動のひとつとして民間的な活動もされています。北隊員、有志の市民、須坂市職員が力をあわせ、公民連携で開催することは須坂市が目指している「共創」です。公民共創で開催していただくことに感謝申し上げます。
今年度の開催は、昨年のイオン須坂店屋上駐車場に加えて駅前広場(須坂駅を出てすぐ)でも開催され、まちの賑わい創出につながります。昨年の成功に満足しないで更なる挑戦をされることに敬意を表します。
開催概要と北隊員の思いを転載します。
北隊員の熱き思いに賛同される方、「自分たちの地域は自分たちでつくる=まちづくりの主人公は自分たち」という思いの方、ご協力をお願いします。
【北直樹隊員のフェイスブック 2024年3月12日から引用】
前回、第一回目を須坂イオン屋上で開催し24店舗、6000人のご来場者、当日のイベント売上は400万円を超える大きなイベントになりました。
その一方で混雑や売り切れなど、主催者の未熟さ故に想定を超える反響についていけず、ご来場頂いたお客様の皆様が満足頂けるイベントに出来なかった悔しさもありました。
今回は昨年度の反省を糧に
- 1日開催を2日間の開催に変更(混雑緩和、日曜日休みの人へ配慮)
- 1日あたりの店舗数を24店舗から36店舗に増(売り切れ対策)
- イベントスペースを拡張(現在、駅前の一部を歩行者天国に交渉中)
- 駅前広場の出店者と屋上スペースとの連携感を出す
などなど…
前回は主催者としても何となく「肉フェスタ」になってしまっていたので、今回はよりクオリティを上げるために、より肉料理に拘り出店者様を決めさせて頂きました。
今回は想定以上の応募があり、決めることもとても心苦しい状況でした。選考漏れになってしまった出店者の方、本当に申し訳ございませんでした。
また今回は地元のワインももっと広く知ってもらいたいこともあり、去年実現しなかったワイナリーさんの直販も実現します!
とりあえず去年の2倍以上はパワーアップしてます(笑)
そして…遠方からも超人気の肉料理がやってきます。
須坂市に!?という肉料理です、楽しみにしてください。しかし、イベントは開催することで終わりではありません。
イベントを通して「須坂市」に何が出来るのか?
沢山の人が集まってきたのだから、須坂市で周遊できる仕組みを、須坂市に来たことで喜んでもらえる仕組みを…
と考え、今回から市内事業者さまと協賛金による「ワイン&肉フェスタ加盟店」として連携頂ける仕組みを考えています。私1人で須坂市を動かせることも出来ないので、皆様の沢山のお力をお貸し頂けると嬉しいです。もし…協賛したい!ボランティアしたい!一緒に盛り上げたい!
という方がいましたらDMでもお気軽にご連絡下さい!私自身まだまだこのイベントを通して協力隊卒業後の自分に繋げる何が出来るかのイメージは出来ていませんが、今できる精一杯(松井秀喜がいつも言っていた不動心「常にその日の100パーセントを出し切る」)ことを忘れず、熱く、楽しく、皆さんが安心できるイベントになるように邁進していきます。
応援してもらえると嬉しいです。
---引用終わり---
「ワイン&肉フェスタin須坂 2024」
開催日:2024年5月25日(土曜日)・26日(日曜日)
25日:午前10時~午後5時
26日:午前10時~午後4時
会場:イオン須坂店 屋上駐車場+駅前広場(須坂駅から徒歩1分)
2024年4月4日(木曜日)
須坂市が新聞、書籍で紹介
1.臥竜公園の桜が9位
「桜と史跡、船から愛でる 専門家おすすめスポット10選(2024年3月9日発行 NIKKEIプラス1)」で、臥竜公園が9位になりました。長野県内では唯一のランクインです。
『ソメイヨシノを中心に公園全体で約600本の桜。一周約800メートルの竜ケ池では、池を縁取るように約160本の桜。須田城跡や松尾芭蕉の句碑などがある臥竜山を眺めながら「水面に映る桜、池に舞い落ちた花びらなど様々な姿を堪能できる」。手こぎボートなどに乗り、池に手を伸ばすように枝を伸ばした桜を間近で見られそう。池を二分するように架かる「臥竜橋」や、弁財天をまつった小島に架かる「弁天橋」。市の動物園が隣接し、花見の前後に楽しめそう。』
(「NIKKEIプラス1」2024年3月9日掲載記事から引用)
2.人口流入増、転入超過数がマイナスからプラスに
須坂市は、2010年~2013年の転入超過数がマイナス244人でしたが、2020年~2023年はプラス325人、マイナスからプラスに転じた自治体として、日本経済新聞で紹介されています。
『国は東京圏(1都3県)への過度な人口の偏りが地方をさらに衰退させるとし、2014年に始めた地方創生策で一極集中の是正を掲げた。新型コロナウイルス禍で一時減った東京圏への人口流入は再び増えている。
流れに抗して人を招く地域はある。人口移動報告で20〜23年と地方創生が始まる前の2010〜2013年の日本人の転入超過数を全国の市区町村で比べると、転入超過が増えたか転出超過が転入超過に変わった自治体は東京圏を除く地方で14パーセント、207市町村あった。』(「日本経済新聞」2024年3月16日 2面掲載から引用)
3.須坂市井上の地価 上昇率3.0パーセントで県内4位
『国土交通省は、1月1日時点の公示地価を発表。長野県内の商業地は、107調査地点のある37市町村のうち、9市町村計31地点でプラスとなりました。県内の上位5地点のうち、白馬八方尾根スキー場白馬村北城が、上昇率30.2パーセントと最も高く、全国では4位。軽井沢町が県内の2、3位。イオンモールの出店予定地近くの須坂市井上が上昇率3.0パーセントで4位。
不動産事業者は、須坂市内全域で住宅需要の高まりによる地価上昇がみられる。長野市の住宅需要の高まりが通勤圏内の須坂市に波及していることなど、要因は複合的という。「須坂市内はしばらく、住宅需要が堅調な状態が続くのではないか」と分析しています。』(信濃毎日新聞2024年3月27日11面から引用)
長野県が公表した2023 年中の人口増減では、須坂市は転入者が転出者より138人多い「社会増」となっています。
年代別の人口異動状況をみると、30代以降の子育て世代の社会増が顕著です。子育てのタイミングで須坂市を選ぶ方が増えているといえます。
今後も社会増を維持していくために、日本経済新聞で紹介されている自治体のように、家を建てる方や子育て世代の移住を支援する取り組みが参考になります。(日本経済新聞 2024年3月16日39面「データで読む地域再生」)
須坂市は県庁所在地長野市に隣接していること、長野電鉄等の公共交通機関が存在すること、県立信州医療センターが存在すること、地価が比較的やすいこと、人材確保・人材育成、商業施設(イオンモール須坂(仮称))があること、子育て環境の充実、特色のある企業があること、空き家活用における公民連携の仕組みなど、総合的に取り組める要素が揃っています。
4.「財政と民主主義 人間が信頼し合える社会へ」(神野直彦著/岩波新書)
長野県は、重要な政策課題について助言する「県政参与」を、4月1日付で東京大名誉教授の神野直彦(じんのなおひこ)氏(78歳)に委嘱しました。神野氏は地方財政に詳しく、2023年度からの県政運営指針「県総合5か年計画」の作成にも携わっています。県は、神野氏から地方自治の知見を得たいとしています。
神野氏の著書「財政と民主主義―人間が信頼し合える社会へ」の「第5章 人間らしく生きられる社会へ-地域の協働と民主主義の再生へ」の中でも、須坂市が紹介されています。
平成25年から開催されている地方分権改革有識者会議では、神野氏は令和5年まで座長を務められました。私は全国市長会の推薦で有識者会議の議員を務めており、ご一緒させていただき勉強になりました。また、以前から神野氏の著書「経済学は悲しみを分かち合うために 私の原点」、「分かち合い」の経済学 」などを読み、学んでいます。
私の政治信条である「「求める」から「分かち合い(愛)、譲り合い(愛)、与え合い(愛)」へ」は、神野氏のお考えが基本となっています。
5. 「まっぷる 信州'25(まっぷるマガジン甲信越04)」(昭文社)
「地域応援します」に「フルーツと蔵のまち 須坂市」として須坂市が紹介されています。裏表紙は「信州でみ~つけたジューシーな街 須坂市」と全面広告です。
更新日:2025年03月21日