市長のコラム 2023年10

更新日:2025年03月21日

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2023年10月26日

安心して子供が遊べる公園などの遊び場の整備への回答

安心して子供が遊べる公園などの遊び場の整備を、との要望があります。
私は、次のように考えています。

公園は子どもの成長過程において必要であり、親子や友達同士で触れ合いの時間を過ごす大切な場所のひとつであることは理解していますが、公園の維持管理は財政的に大きな負担が伴います。
市で実施する事業は、限られた財源と厳しい財政状況の中で、地元区からの要望や緊急性などを考慮し、市全体で優先順位をつけて行っています。このような状況の中で、現在、新しい公園の設置計画はありません。
現在、市街化区域内の都市公園は、臥竜公園をはじめ17カ所あり、月に2~3回の清掃と除草作業を行っています。(芝宮神社裏の中央公園、旭ヶ丘公園、墨坂神社内の八幡公園、森田公園、長者公園、田の神公園、塩川上部公園など)
遊具等の維持管理費は年々増加しており、新規の遊具設置は行えませんが、危険なものから優先的に入れ替えや修繕を行っていますし、遊具点検や塗装を含めた補修等を随時実施しています。安心で快適な公園となるように努めています。
各町の公会堂敷地内に遊具が設置され公園として機能している場所や、宅地造成時に独自に設置された公園も各地域にありますが、これらは地域の方々によって日常的な維持管理をしていただいています。
誰もが気軽に安心して遊べる場所として、また安らぎや憩いの時間を提供する場所として、今後とも適切な維持管理に努めてまいります。

昨今、幼児期の成長には「遊び込む経験」が大切とされます。何もない原っぱなどで、自ら考えて遊びを作りだすことで「非認知能力」が醸成されると言われています。
芝生が広がる百々川河川敷の緑地(子どもたちが保護者の見守るなかで百々川や緑地の斜面、テトラポットなどで遊んでいます)、2020年10月にオープンした豊丘の「チャレンジパーク離山&わんぱく広場」(豊丘地区の皆さんがボランティアで設置。11種のアスレチック遊具あり)、臥竜山などの公園をぜひ活用していただきたいと思います。また、須坂市には峰の原高原、五味池破風高原、米子大瀑布など魅力的な国立公園もあります。
子ども課で発行している「須坂市子育てガイドブックS*Kids(エスキッズ)」には、須坂遊び場ガイドや子育て支援センターなどの情報も含め掲載されておりますのでそちらもご活用ください。また市内の小学校・中学校の校庭も、休日などでスポーツ団体が利用していない時は利用できます。

現代は、各自治体がそれぞれ施設を保有するのではなく、各自治体の施設(公園、図書館、温泉施設など)をお互いに利用することが必要です。

北相之島町では、令和元年東日本台風で被災した公会堂跡地を市から譲り受け、子どもたちのための遊び場を手弁当で造っています。

「遊園地」ではなく「原っぱ」的な遊びを
鷲田清一氏(哲学者。大阪大学総長、京都市立芸術大学理事長・学長などを歴任)は次のように述べています。
「(原っぱで)子どもというのは別に遊び道具なんかなくても、石ころや棒切れなんかで、上手に、いろんなゲームを自分らで作っていく。遊園地のように、その空間の意味があらかじめ決まっているんじゃなしに、自分たちが何かすることで空間の意味を作っていく。そんなふうにルールや意味を自分たちで作っていかないと、原っぱで遊べませんよね。そういう教育の場所というのが今なくなってきているんです。「原っぱとしての遊びの場」がね。」

 

住民意識の変化(埼玉県秩父市報告書から抜粋)
「近年、住民の行政に対する意識が変化してきている。地方自治体をとりまく厳しい行財政の環境は、住民に深刻に受け止められており、今後の持続的な行財政のあり方に対しての関心が高くなるとともに、適正な行財政運営の実現に向けた改革・改善に対する期待・要望が強くなってきている。
こうしたなかで、公共事業のあり方にも大きな見直しが必要となってきており、特に公共施設等のハードウェアの整備は、多額の負担を住民側が長期間にわたって求められることから、新規の整備に対しては真に必要な公共施設だけを整備することが強く要請されてきている。また、近年、公共施設の老朽化が大きな社会問題となってきていることから、公共施設に対する投資についても、既存施設の維持・管理に重点を置いた配分を行うべきだとする意見も強く出されてきている。
このため、公共施設の整備にあたっては、住民の意見・ニーズ等を十分に反映し、真に必要な公共施設を整備する住民参加・協働型の公共施設整備手法を導入したり、新規の公共施設の整備を抑制したり、既存の公共施設の建替え等をストップしている地方自治体も増加してきている。

須坂市も同様の見解です。

2023年10月19日

嫌われる勇気・断る勇気

人間には、他人に嫌われたくないと思う気持ちがあります。選挙で選ばれた政治家は、特にその傾向が強いのではないかと思います。
私は「嫌われる勇気 自己啓発の源流『アドラー』の教え」(岸見一郎/古賀史健:著 ダイヤモンド社)を読んで、自分の経験と照らし合わせて次のことを心掛けています。

【課題の分離】
「自分(行政)がコントロールできる課題」と「他人(市民)がコントロールする課題」を分離すること。課題の分離により、行政の責任範囲、優先順位を明確にでき、対応しやすくなります。混同すると解決が困難になります。ただ、近年は市民の個人的課題が行政分野に関係している複雑な課題も多々あります。

【自分自身を他人と比較しない。他人を比較しない】
他人から比較されて発奮する人はほとんどいないと思います。発奮は、自分自身の気づき(素直さ)から生じると思います。自分の子を他人の子と比較することはマイナスといわれています。比較するなら過去の自分と比較して、自分を検証したいと思います。

嫉妬しない素直な人間が伸びる(高橋尚子を育てた故・小出義雄監督が語った「本当の福が回ってくる人」の共通点 致知出版社 2021年05月08日)

【摩擦を怖がらない】
自分の意見よりも他人の目や意見を気にして行動すると、自分の人生ではなくなり、後悔することになります。所得や学歴よりも「自己決定」が幸福感に影響を与えているという調査もあります。
私は、市民の要望にはできるだけ応えるようにしていますが、どうしても、公正公平、公益を踏まえて要望に応えられない場合、しっかりと説明したうえで断ります。市長として嫌われる勇気、断る勇気も必要と考えています。正道であれば、市民のみなさんには理解していただけると信じています。市民を信じ、市民から信じられる市政運営をモットーにしております。

2023年10月12日

2023年度 輝く女(ひと)と男(ひと)セミナーのお誘い

毎日新聞社記者の小国綾子(おぐにあやこ)さんの講演会を開催します。

演題:『輝く』って何だろう?~信州から始まった新聞記者人生~
開催日:10月21日(土曜日)午後1時30分~3時
会場:須坂市人権交流センター
入場:無料
申込期限:10月13日(金曜日)
申込先:須坂市人権交流センター

「何か一つ選んだら、何かをあきらめなきゃいけないの?」
結婚、妊娠、出産に直面し、女性は幾度となく悩みます。選んだりあきらめたりを繰り返し、時には「仕事も育児も70パーセント。でも足したら140パーセント!!」と両立を目指した自身の半生を振り返り、結婚・出産をしても、しなくても等しく大切にされる、そんな社会を考えます。

【小国綾子さん(毎日新聞社記者)プロフィール】

1990年毎日新聞社に入社。初任地は長野支局(三木、この時に知り合いました)。
2000年退社し家族で米国メリーランド州へ。4年間の米国滞在中、週刊ポストにコラム連載。
2011年帰国、毎日新聞社に再就職。
現在、毎日新聞にコラム「明日元気になあれ」を連載中。


著書

  • 「アメリカの少年野球こんなに日本と違ってた」でミズノスポーツライター賞(優秀賞)受賞。
  • 「?が!に変わるとき新聞記者、ワクワクする」は、2015年度の読書感想画中央コンクール課題図書に。
  • ベイビーパッカーでいこう!赤ん坊とザック担いでスペインの旅(育児休暇の1年間の休みをフル活用して、スペイン、バリ島へ海外旅行し、旅行記のホームページを開設、仕事結果をまとめた本と旅行記の著作2冊分の原稿も仕上げる。)

など著書多数


以下、思いつくままに

【子育て世帯への給付金】
「非課税、課税を問わずに、子育て世帯に給付金を交付してほしい」との要望が市長への手紙で寄せられました。須坂市は次のように回答をしました。
回答:「今年度、市独自で物価高騰に直面する子育て世帯に対する生活支援を目的に、「須坂市子育て世帯応援特別給付金」として、保護者の所得制限を設けず、0歳から18歳の児童に一人につき、2万5000円を、2023年12月末までに支給予定です。詳細については、市ホームページや市報11月号に掲載予定です。」

【手土産は須坂産】
私は、手土産は常に須坂産のものを用いています。
東証プライム上場企業の経営者を訪問した際は、須坂市のK工房の羊羹をお土産に持参しました。その方はいつもその場ですぐに召しあがりコメントをくださいます。羊羹を召し上がり「これは美味しい!」とおっしゃいました。そして羊羹の包装紙を見て、「包装紙もいい!」とも。そのあと、包んでいた銀紙をご覧になり「しわがよっているからよくない。これでは『とらやの羊羹』には勝てない。しかし設備投資に費用がかかるから、今のままでいい」とおっしゃいました。私は、K工房は須坂産の食材にこだわり丹念に手作りされていることをお伝えしました。須坂産のお土産を持参すると、お土産から話に花が咲きます。

【重要事項と決裁】
県職員時代、とても尊敬するHさんから「重要事項は、事前に十分に打ち合わせを行ってから決裁に回す」と教えていただきました。確かにそうです。重要であればあるほど、関係者で打ち合わせを十分行う必要があります。

2023年10月5日

組織の持続性は各人の主体性から・第52回信毎広告賞

市長就任後しばらくして、ある会合で、仕事に積極的な課長のお兄さんにお会いしました。
「弟さんは、仕事に積極的で頼もしいです」と話すと、お兄さんからは「市職員だから目立たないようにしろと言っている」という残念な言葉が返ってきました。

経営者の集まりで、ある事業主が「市長、○○補助金をだしてほしい」とおっしゃいました。偶然そばにいた市外在住の全国同業者連合会役員をされている方が、「そんなことを言っているから須坂はだめなんだ」とおっしゃいました。その方は、連合会で得た情報を同じ地域の同業者に提供されているとのことでした。地域全体のレベルアップが、回り回って個店にも利益をもたらします。
自利利他円満自利利他円満。

私は本当に困っている方は別として、公共も民間も、行政に単に頼るだけでは、持続的発展はおぼつかないと考えています。

市職員に市民目線で主体的に仕事をするように求め、「故意または重大な過失」でない限り私が責任を負う、と言ってきました。その結果、災害対応、インター周辺大規模開発、恋人の聖地事業、まるごと博物館事業、信州須坂ふるさと応援寄附金(ふるさと納税)など、須坂市職員は課題に挑戦しているとの外部評価をいただいています。須坂市はイベントが多い地域と言われており、民間主体のイベントも多くあります。これも、各人、各団体の主体性の賜物です。
10月も須坂市のイベントをお楽しみ下さい。

【恋人の聖地事業 華道家・假屋崎省吾さんの生け花特別展】
会場:須坂市歴史的建物園
入園:無料
好評につき、10月8日まで延長しました。

【祖父龍子~川端龍子と岡信孝~】
川端龍子(かわばたりゅうし)の作品を、孫であり弟子である岡信孝の作品と併せて展示する初めての試みです。
昭和の日本画壇をリードした文化勲章画家の一人として知られる龍子を、岡信孝の「祖父」として、また「師」としての目線からご覧ください。

期間:10月6日(金曜日)~11月8日(水曜日)
会場:須坂クラシック美術館・旧小田切家住宅
入館料:500円(2館共通券は800円)
ギャラリートーク:10月6日(金曜日)午前11時から須坂クラシック美術館にて
大田区立龍子記念館学芸員の木村拓也氏にお越しいただき、展示している川端龍子の日本画とその時代背景についてお話しいただきます。

(広報須坂2023年9月号 市長のいきいき通信に加筆修正)

「米子大瀑布の広告が第52回信毎広告賞の特別賞を受賞」

米子大瀑布は令和元年東日本台風でアクセス道路が被害を受け、今年5月まで観光ができませんでした。
3年半ぶりのアクセス道路開通に合わせて、信州須坂観光協会が5月20日の信濃毎日新聞の朝刊に出した広告が、特別賞を受賞しました。

外部審査員でクリエーティブディレクターの神谷幸之助さんのコメント。(信濃毎日新聞2023年10月5日朝刊20頁から引用)
「こ、これは、日本のナイアガラの滝とは、ほめすぎか。スマホの写真では伝えられない、この迫力に「特別賞」を新設しました。長野県民でもその存在を知らない方もいると聞く。この秘境の大パノラマは、新聞見開き30段でしか表現できない。新聞広告ならでは、インパクトをほめよう。」
(引用おわり)

米子には、かつて硫黄鉱山がありました。
八十二銀行顧問であり長野県経営者協会の名誉会長の山浦愛幸様から、長野県経営者協の初代会長は中外鑛業株式会社米子鉱山初代所長の安田三吉様であったと教えていただきました。

米子大瀑布は、これから紅葉シーズンを迎えます。
日本のナイアガラの滝を、ぜひ直接ご覧になってください。

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