市長のコラム 2023年12月

更新日:2025年03月21日

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2023年12月28日

東山魁夷画伯 代表作「道」

東山魁夷画伯の代表作に、「道」という、私の好きな作品があります。
1950(昭和25)年制作、東山魁夷42歳の作品です。

「道」東山魁夷記念一般財団法人

この道は青森県八戸市の種差海岸(たねさしかいがん)に並行して走る、現在の青森県道1号(八戸階上線)がモデルになっていると、2023年10月に八戸市で開催された第85回都市問題会議の視察の際に教えていただきました。
作品を描いたとされる場所には碑が立っており、実際には道の奥には灯台が見えるのですが、作品では灯台は省略され、ただ一本の道のみが描かれています。

東山画伯はこの「道」について、「遍歴の果てでもあり、また新しく始まる道でもあり、絶望と希望を織りまぜてはるかに続く一筋の道であった――そして遠くの丘の上の空をすこし明るくして、遠くの道がやや右上りに画面の外に消えていくようにすることによって、これから歩もうとする道という感じが強くなった」と語っています。(『東山魁夷画文集私の風景』)

また、作品解説には次のように記されています。

東山魁夷 版画作品 「道」(日本画、版画の通販は、絵画販売専門のギャラリーWAO!)から引用
「道」は、東山魁夷が国民的画家と呼ばれるきっかけとなった作品です。
敗戦後に母と弟を立てつづけに亡くし、絶望のなかで山並みに自分の心を重ねて描いた作品の「残照」が、日展で特選を受賞します。
以来、魁夷は風景画家として立つことを決意し、自分の心象を風景に投影させて絵を描くようになりました。
「道」はその象徴的な作品です。
本作品には、確立しつつあった「シンプルな画面構成」「青系統の色調表現」の特色が顕著に出ています。(中略)描かれた上り坂の一本道は、鑑賞する私たちの進む前途や希望と重なり、自分自身を奮い立たせ、また内観させる問いかけをしてくるようです。
(引用終わり)


まさに、「私たちの進む前途や希望と重なり、自分自身を奮い立たせ、また内観させる」効果があるのではないでしょうか。
皆様も、今年1年、一筋の道を歩まれ、明年も歩まれていくことでしょう。明年が良きお年となるようにお祈りしております。
1年間、ご愛読ありがとうございました。

(追記)馬が東山作品のモチーフとなった理由が、種差海岸の牧場であったことからと知りました。

 

2023年12月21日

『須坂温泉健康の森RVリゾート』チャレンジを受け入れる土壌がある須坂市役所

須坂市役所は、企業などから提案をいただくことが多いです。須坂市役所には前向きな職員が多いことや、提案を受け入れる土壌が育っているからではないでしょうか。

例えば、2024年4月に「須坂温泉・健康の森RVリゾート」がオープン予定です。これは2023年5月に「災害時におけるトレーラーハウスの提供に関する協定」を須坂市と結んでいただいた株式会社カンバーランド・ジャパン(原田英世代表取締役)からご提案いただき、現在進めていただいている事業です。

「須坂温泉・健康の森RVリゾート事業」
トレーラーハウスを活用し、ペットと泊まれる宿、健康維持、美しく変身、農業体験、健康改善、温泉保養療法、薬膳料理の提供、2地域居住・お試し移住、などを行う、看護師が常駐した健康体験施設を運営する予定です。
(RVとはアメリカでは主にキャンピングカーに該当する車のことですが、日本ではレジャーに適した車の総称としてRVが使われます。)

規模は違いますが、「大自然阿蘇健康の森」を参考にされているとのことです。「大自然阿蘇健康の森」のドームハウスをトレーラーハウスに替えたイメージとのことです。

この事業の手はじめとして須坂温泉に隣接するサマーランド第2駐車場にトレーラーハウスを5台設置し、クリスマスイルミネーションを企画していただきました。
12月10日は「須坂温泉・健康の森RVリゾート」に勤務予定の看護師9人に、12月17日は地元、大谷町(おおやまち)の育成会と協力し子どもたちと地域の皆さん34人に飾り付け体験をしていただきました。
飾り付けは世界的なカーデザイナー山下敏男さん、首都大学東京の土屋真助教授、シンガーソングライターで講演家の清水まなぶさんの3人に評価、コメントをいただくことになっており、評価とコメントは会場に展示されます。

須坂温泉・健康の森RVリゾート クリスマスイルミネーション
期間:2024年2月末まで毎日、午後4時~9時まで点灯
会場:須坂サマーランド第2駐車場(須坂温泉に上がる手前右側)

ぜひお出かけください。

株式会社カンバーランドジャパン
災害時におけるトレーラーハウスの提供に関する協定を締結しました(須坂市フォトニュースから)

番外編

須坂温泉古城荘の名称について
イルミネーション飾りつけ参加者から、「古城荘」という名前は「建物が古い」とイメージされる方もいらっしゃるとの意見があったそうです。私も宿泊された方から「須坂温泉古城荘という名称から古い建物を想像していたが、そんなことはなかった」と言われたことがあります。名称について今後、考えてみたいと感じました。

 

2023年12月14日

長野県社会福祉協議会・実践者の自信と誇り

12月13日(水曜日)、長野県社会福祉協議会(以下「県社協」という。)会長・副会長会議および理事会が開催され、私は今年、県社協会長の立場で出席しました。

まず県社協の事務局での職員の説明と資料に感心しました。須坂市の社会福祉の向上にも大変参考になる内容でした。会長・副会長会議および理事会でも、構成員の前向きで現場に根差した意見、提言にも敬服しました。福祉の現場を担っている自負と経験に裏付けされていると感じました。私は日ごろ「実践者の自信と誇り」が大切と考えていますが、それを感じました。
その後、県社協事務局の忘年会が開催されました。趣向を凝らした忘年会でした。お互いに尊敬しあう、温かい雰囲気、気配り、率直、あるがまま、皮肉を言わないなど、組織風土が素晴らしいと感じました。真の福祉の心があると感じました。

私が県職員として勤務していた時から、自然体でご指導いただき、尊敬申し上げる藤原忠彦会長から引継ぎをさせていただきましたので、真摯に全身全霊で取り組むと改めて決意しました。

 

2023年12月7日

私のLINE(個人アカウント)が乗っ取られました

12月4日(月曜日)、午後0時50分ごろ、無料通話アプリ「LINE(ライン)」の個人アカウントが乗っ取られました。

【乗っ取られた経緯】
私が日ごろからお世話になっている、大変信頼できる方から、LINEで次のようなメッセージを受信しました。

「私のLINEデータが消失してしまったので、解除するには、何人かの友人の確認が必要となりますので、下のLineのサイトにログインしで解除していただけますかwww.line*****.top/s」
(本メールを読まれている方が誤って詐欺サイトにアクセスしてしまうことを避けるため、「*****」の部分はあえて隠しています)

このメッセージを送ってきたアカウントも、既に不正ログインをされていたのだと思います。

これに対し、私は電話番号と暗証番号を入力してしまい、アカウントが乗っ取られ、私の個人アカウントから次のようなメッセージが友人たち送られました。

私を装ったアカウントのメッセージ:「今忙しい?」

メッセージを受け取った方が返信したところ、

「近くのコンビニでAppleカードを何枚か買ってきて欲しいんだけどいいかな」

というメッセージが送りつけられ、乗っ取られていると発覚しました。

その後、私のアカウントは既にパスワードや登録内容が書き換えられてしまい、自分ではどうすることもできなくなってしまいました。
私は市職員の協力を得て、LINEヘルプセンターに相談したり、須坂警察署に相談したり、報道発表を行ったりと対処にあたりました。

このように個人情報(電話番号やパスワード、クレジットカードの情報)を入力させるサイトは詐欺ですので、みなさん絶対に入力しないようにしてください。
どんなに信頼する人であっても、たとえ家族であっても、本人に電話などで事実確認を行ってください。そして、お金の話が出たら詐欺を疑ってください。

ちなみに、私を装ったアカウントにさらに返信すると、Appleカードの番号とパスワードの写真を撮って送るように指示するメッセージが送られてきたそうです。

【今回の私の反省】
LINEの情報が消えてしまったとメッセージを送ってこられた方が、日ごろ須坂市がお世話になっている信頼できる方であったことやデータが消失されて気の毒と思ったことなどから、客観的判断が欠如していました。
また、相手の方が忙しいだろうという先入観で、事実確認の電話などをしなかったこともいけませんでした。
LINE公式のコメントでは、こういった第三者による認証でロックを解除することはないそうです。

【報道発表】
報道発表は市職員の協力を得て行いました。
理由は、このような犯罪の被害者を一人でも減らすためです。
おかげさまで、NHK、民間放送、新聞、そしてインターネットニュースなどでほぼ全国的に報道されました。

以前からこのようなLINE乗っ取りによる被害が出ていたそうです。私が見逃していただけかもしれなませんが、LINE公式から、もっと注意喚起をしてほしいと感じました。
須坂市は公式ホームページや公式LINEアカウントで、こういったなりすましのメッセージが届いた場合、返信しないよう注意を呼びかけています。
私自身も、フェイスブックやメールなどで注意を呼びかけました。

今回の件で私を心配して連絡をくださった方、また私を信じてくださった方、そして協力して助けてくれた市職員に心より感謝します。

この記事に関するお問い合わせ先

総務部 政策推進課
所在地:〒382-8511 長野県須坂市大字須坂1528番地の1
電話番号:026-248-9017 ファックス:026-246-0750
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