水の事故に注意
水は私たちの生活に無くてはならないものです、水は命の源であり例えば乳幼児の体は約80パーセントの水分で形成されています。水なしでは私たちの生活は成り立ちません。しかし、全国では水による事故で多くの命が失われていることも事実です。なぜ水による事故が起こるのかを知って予防しましょう。
水の特性
- 空気の約25倍の速さで体温を奪う。
- 水温22度以下では、人体の生理機能は約40%低下する。
- 水中では物が1.3倍に見える。
- 水深10メートルで水圧が2倍になる。
- 水深10メートルで空気容量は2分の1となる。つまり、水中では地上で生活する環境と著しく違いがあるということです。
溺水とは
私たちは水の中で呼吸をすることは出来ません。器具を使わない限り呼吸できず口や鼻から水が入り、その水が気管(肺までの通過路)に入らないように咳や飲み込もうとする反応が起きます、この状態が続くと喉頭(気管の入り口)でケイレンが起き、声門(気管入り口にある弁)が閉じてその結果窒息になってしまいます。これを乾性溺水といいます。
窒息状態から数分で意識が無くなると全身の力が抜けて、閉じていた声門が開き肺を水が満たす。これを湿性溺水といいます。
危険な場所
一般的にイメージするのは、プール・川・池・海など水の多くある場所ですが、水のある場所には必ず事故発生の危険性があります。
例えば、家庭の中にも、お風呂・洗濯機・水を張ったタライ等、大人にとっては危険とは考えにくい場所や物であっても小さな幼児、特に這い出したころの時期には判断力も体力も状況に適応せず事故になる可能性があります。
プールでは、勢いをつけて飛び込む、深みにはまる、排水溝をはずした為に足を吸い込まれるなどの事故がおきています。
海では、波に引き込まれる、深みにはまる、体調を考えずに無理をして泳ぐ、高波や潮流に流される等が事故の原因にあげられます。岩場での飛び込みも海中の状況が不明瞭で危険です。
予防
1.水の条件
- 水温 23度以上が望ましい
- 水質 清潔な水
- 水流 波や流れが穏やか
- 水深 年齢や技量に適した深さ
- 水底 凸凹がなく一定
2.泳ぐ人の条件
風邪など病気による体調不良、疲労時、飲酒後は泳ぐこと(水浴)はやめましょう。
3.幼児・小児の同伴者の注意
常に子供のいる場所を確認するか、付き添いましょう。多くの事故は目を離した際に起きています。
4.家庭の場合(特に就学前の子供がいる場合)
お風呂のドアは戸締まりをしっかりして、簡単に入れないよう(手の届かないところに簡易のカギをかける等)しておく。洗濯機の近くに踏み台になる物をおかない、子供は好奇心で覗き込む事が多い。
救助の方法
泳げる人でも「泳がないで救助する」。「泳いで救助する」事は最後の手段!!
- 陸上から器具を使う(浮き輪、ブイ、ロープ、衣類など)
- 陸上から素手で(手・足で)
- 水中から泳がないで(歩いて)器具を使う
- 水中から泳がないで(歩いて)素手で
- 水中から泳いで器具を使う
- 水中から泳いで素手で
(注意)周りの人に助けを求め、一人だけで救助しようとしない。
救助隊、医療機関等への連絡
- 連絡に先立って「いつ」・「どこで」・「だれが」・「何を」・「どうした」正確な情報・状況を把握しておく。
- 傷病者の症状(意識・呼吸の有無・顔色・ケガ・出血)の状態を把握。
- 応急手当を行う。
救命のA・B・C
状態 | 処置方法 |
---|---|
意識な無い | 気道確保(AIRWAY) |
呼吸が無い | 人口呼吸(BREATHING) |
脈が無い | 心臓マッサージ(CIRCULATION) |
- 心肺蘇生を行う。
- 家族への連絡をおこなう。その際は自分の氏名を告げ、簡潔に状況を説明し搬送先の病院名も伝え出来るだけ不安にさせない。
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更新日:2024年03月26日