ガソリン・灯油・軽油などの燃料(危険物)貯蔵の注意点

更新日:2024年03月26日

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危険物貯蔵の注意点

消防でいう「危険物」とは、主に灯油やガソリンなどの燃料のことを言います。灯油やガソリンなどは、私たちの日常生活欠かせないものですが、その取扱いを誤ると思わぬ事故につながる危険なものでもあります。

そこで、消防法では一定数量以上の危険物を貯蔵し、または取扱う場合は許可制度を設け、厳しく規制しています。

 指定数量の例

  • ガソリン 200リットル
  • 灯油・軽油 1,000リットル
  • 重油 2,000リットル

代表的なものがガソリンスタンド等の給油取扱所や工場等などでの屋内、屋外貯蔵所のことを言います。

また、各家庭でホームタンクなどにより貯蔵し、または取扱う場合は、指定数量未満の危険物(または少量危険物)といい、各市町村条例により規制しています。

ここでは、指定数量未満の危険物(以下「少量危険物」という。)の貯蔵および取扱いについて注意点を紹介します。

少量危険物を貯蔵および取扱う場合の届出について

危険物を貯蔵および取扱いする場合、消防署へ届出を要する量が定められています。

なお、事業所(店舗、工場、会社など)と家庭では、届出を要する量が異なります。

店舗、工場、会社などの事業所で危険物を貯蔵および取扱う場合の届出を要する量
危険物名 タンクの容量
ガソリン 40リットル以上 200リットル未満
灯油・軽油 200リットル以上 1,000リットル未満
重油 400リットル以上 2,000リットル未満
家庭で危険物を貯蔵および取扱う場合の届出を要する量
危険物名 タンクの容量
ガソリン 100リットル以上 200リットル未満
灯油・軽油 500リットル以上 1,000リットル未満
重油 1,000リットル以上 2,000リットル未満

防油堤の設置について

1.防油堤とは?

ホームタンクなどから危険物が漏れた場合に、その流出を防止するための金属板やコンクリート等でできた受け皿・囲いのことで、貯蔵するタンクの量以上の容量が必要となります。

防油堤を設けることにより、給油時のうっかりミスによる危険物の漏れや、タンクなどからの漏れ等の場合に、その流出を止めることができます。

2.防油堤の設置対象は?

事業所や家庭で、次の数量の危険物をホームタンク等で貯蔵する場合、防油堤の設置が必要となります。(防油堤の設置を要する量は、事業所、家庭とも同じです。)

防油堤の設置を要する数量
危険物名 タンクの容量
ガソリン 40リットル以上
灯油・軽油 200リットル以上
重油 400リットル以上

3.防油堤を設置するときに注意することは?

  • 防油堤の材質は、金属板もしくはコンクリート等危険物が浸透しない材質のものがよいでしょう。
  • 防油堤の内部に水が溜まらないようにしましょう。排出するための水抜口を設けると管理が容易です。
  • 容量は、設置するタンクの容量以上としましょう。(目安として110%以上)
  • 地震等によりタンクが転倒しないように、防油堤内に固定または容易に転倒しない措置をしてください。
  • 配管で供給する場合は、地震等により損傷しないようにしてください。(配管の途中に衝撃緩衝材(フレキシブル管等)を設ける)

防油堤の設置

  • 防油堤と貯蔵タンクをしっかり固定する。
  • 貯蔵タンクの表面に「火気厳禁」、「少量危険物貯蔵所 第四類 灯油 最大容量○○○ℓ(リットル)」と掲示する。
防油堤と貯蔵タンク設置例イメージ図

事故事例

人的ミスか施設の不備による事故に大別されますが、大半が人的ミスによるものです。

人的ミス

その多くが、ホームタンクなどからポリ容器などへ小分け中にその場を離れてしまい、防油堤の設置がなかったことから、その危険物が流出し河川や田畑へ流入してしまう事故です。

河川や田畑への流入は、環境汚染に繋がるばかりでなく、その危険物の回収が大変困難であり、それぞれの生態系に悪影響を与えてしまいます。

また、油種の取り違えによる事故も発生しています。これは灯油ストーブに誤ってガソリンを給油してしまい、火災になった事例です。

いずれもちょっとした不注意が原因で発生した事故事例です。

施設の不備

主には配管の接続部からの漏えいや、配管の錆び、腐食によって漏えいしてしまったことなどです。

これらの事故も少量危険物とはいえ、日頃からきちんと管理されていれば防げた事故で、人的ミスが遠因とも言えます。

消防署では各事業所を中心に、立入検査時等に防油堤の設置を呼びかけ、概ね防油堤の設置も普及してまいりましたが、各家庭や田畑等へ設置のタンクへの普及はまだまだ進んでいません。

灯油、軽油の場合200リットル、重油の場合400リットル以上貯蔵するタンクには防油堤が必要となります。

「うちは大丈夫」と油断しないで!

危険物の事故は、発生した場合重大で、広範囲にわたりますので、その取扱いには十分注意しましょう。

危険物事故は、本人だけでなく周囲に多大な影響を及ぼします。環境問題がクローズアップされている昨今、須高地区から危険物事故をなくしましょう。

防油堤の設置や、危険物の貯蔵、取扱いについてご不明な点がありましたら、お気軽に消防署までお問い合わせください。

この記事に関するお問い合わせ先

消防本部
所在地:〒382-0094 長野県須坂市大字小山1306番地
電話番号:026-245-0119
ファックス:026-248-4460
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