平成31年度視察報告書 経済建設委員会
視察日程:令和元年5月21日(火曜日)~23日(木曜日)
視察員:岡田宗之委員長、水越正和副委員長、荒井一彦、西澤えみ子、竹内勉、岩田修二
視察地:茨木県桜川市、栃木県栃木市、栃木県足利市 有限会社ココ・ファーム・ワイナリー
1.茨城県桜川市 「桜川市真壁伝統的建造物群保存地区を活かしたまちづくりについて」
選定理由
須坂市においても蔵の町並みを活かしたまちづくり、また現在、伝建選定に向けて動き出しているが、桜川市では市民主体となった歴史的建物の保存活動が始まり、これまでのまちづくりに結びついている。須坂市の参考とすべく視察先とした。
視察地の状況
市概要
人口:40,027人(令和元年4月1日現在)
世帯:13,622世帯(令和元年4月1日現在)
面積:179.78平方キロメートル
桜川市真壁伝統的建造物群保存地区について
名称:桜川市真壁伝統的建造物群保存地区
面積:17.6ヘクタール
条例制定:平成19年6月20日 桜川市伝統的建造物群保存地区保存条例
地区決定:平成21年9月28日
国選定:平成22年6月29日
選定基準:(二)伝統的建造物群及び地割がよく旧態を保持しているもの
種別:在郷町
建物等:伝統的建造物108件、工作物57件、環境物件5件(登録有形文化財102件)
真壁の町並みの歴史と特徴
江戸時代前期
上方の木綿を東北地方の商人に売りさばく中継地として繁栄
月に12回の定期市の開催(臨時的なお店)
江戸時代後期
商取引の中核が木綿から米穀や酒造へ移行
常設の店舗が普及して定期市がなくなる(定期的なお店)
明治時代
製糸業の興隆もあり呉服太物店が軒を連ねる
大正~昭和初期:明治時代中期以降から始まった石材開発が大きく発展(真壁石)
(注意)中世城下町以来の町割りの中に、時代や様式が異なる多様性に富んだ町並みが形成されていることが特徴で、統一的な建物が並んでいる訳ではない
伝建築選定までの経過
昭和50年代 | 伝統的な建物の取り壊しが目立つ 地区の住民が自発的に解体時の記録写真を撮影 |
---|---|
平成2年度 | 地区住民が自発的に郷土の歴史学習を行い伝統的建物の保存を呼びかけ |
平成4年度 | 河東義之氏(小山高専教授)が潮田家の調査実施 |
平成5年度 | 地区住民や町役場職員により有志団体「ディスカバリーまかべ」を結成、町並み調査・講演会・勉強会・行政へ提言・伝統的建物を活用しイベント |
平成11年度 | 真壁町が登録文化財制度の積極的活用を行い登録有形文化財に4棟を登録 |
平成13年度 | 「蔵と歴史の調査検討委員会」設置 地域資源を活用したまちづくりを調査検討 「歴史を活かしたまちづくり計画」策定 |
平成14年度 | 地区住民有志が登録文化財所有者に呼びかけて「真壁のひなまつり」開催 地区住民代表者に対しての伝建地区制度の説明会開催 |
平成15年度 | 伝統的建造物群保存対策調査検討委員会設置、調査開始 |
平成16年度 | 伝統的建造物群保存地区制度導入に向けた住民説明会を開催 |
平成17年度 | 登録有形文化財が累計104棟になる |
平成18年度 | 桜川市真壁町伝統的建造物群保存地区保存審議会の設置 桜川市伝統的建造物群保存対策調査報告会を開催 |
平成19年度 | 桜川市伝統的建造物群保存地区保存条例を制定 |
平成21年度 | 保存計画決定 保存地区決定 |
平成22年度 | 重伝建選定 |
以下質疑応答
- 質問:歴史的建物を貸しているか
- 回答:期間を定めて貸している。収入は、固定資産税と光熱水費を期間に応じて借主から徴収
- 質問:予算規模は
- 回答:国からの災害復興事業で交付金が現在あるが、ない場合の試算で3~4億円
- 質問:電線の地中化は
- 回答:一部のみ実施
- 質問:須坂市ではどちらかというと行政主体だがボトムアップに際してキーマンはいたのか。
- 回答:選定に際して、対象の建物を所有している方々にはメリットはあるが、所有していない方々にとっては修繕等について許可制となるのでデメリットとなる。その温度差を埋める調整役が行政の役割の一つ。キーマンは河東義之氏(教授)と地区住民等の有志団体の「ディスカバーまかべ」であり、その2つが協力して主体的に活動し、行政は支援したという構図。平成14年度から続いている「真壁のひなまつり」が地域住民同士の連携につながっている。対象の建物を所有、非所有に関わらず、まち全体で盛り上がり自主的に行われる。伝建選定はまちづくりの一つであり、選定が目的ではない。
今後の課題等について
重伝建に選定されてすぐに東日本大震災が発生し、多くの建物が壊滅的な被害を受けた。
重伝建に選定されていたこともあり、所有者に建物の復興に伝建の補助金の活用を促し、ようやく修繕が終わった所であり、どの様にまちづくりやまちの賑わいに繋げるか、これからが本番だと感じる。
須坂市への提言等
中世城下町以来の町割の中に、時代や様式を異にする多様性に富んだ町並みが形成された町であると感じた。
伝建選定に向けた流れは平成2年の地区住民による郷土の歴史学習がきっかけとなり、その成果を小学校の副読本に提供するところから始まった。その後の高専教授の河東氏(キーマン)による伝統町家の調査や、役場職員を含む地区住民有志による「ディスカバーまかべ」の結成等によって町並み保存運動に盛り上がりを見せたのではないだろうか。
更に新イベントとして、夜祭やひなまつりを開催。その一方で、行政は伝建選定に向けた住民代表者説明会を開始する。以後、住民説明会や町並みの調査を経て平成21年に保存地区決定、翌年に重伝建の選定を受けている。
今、須坂で不足するものは住民の盛り上がりであると感じた。

真壁の町並み形成について説明を受ける。
2.栃木県栃木市 「空き家対策事業の取り組みについて~先駆的空き家対策モデル事業~」
選定理由
総務省統計局が5年毎に発表している「住宅・土地統計調査」によると、平成25年10月1日現在、全国の空き家数は820万戸、住宅総数に占める空き家の割合は13.5%となり、ともに過去最高を更新した。
人口減少が進む中で、総住宅数が総世帯数を上回り、空き家の増加が続いている。これは平成5年の空き家数と比較すると、この20年間でほぼ倍増し、空き家の増加に歯止めがかからない状況が続いている。
空き家が増え続けると、家屋の倒壊、防災や防犯の機能低下、生活環境の悪化など様々な問題が発生し、近年は社会問題にまで発展してきている。
須坂市では、「空き家等対策の推進に関する特別措置法」の施行に伴い、平成27年度に各自治会の協力を得て、市内の空き家調査を実施し477件の空き家を把握している。
内容的には、建物に目立った破損・腐朽はないが、空き家の状態となっているものが277件で全体の58パーセント%、破損・腐朽が確認できるが、倒壊のおそれはなさそうなものが115件で24パーセントとなっており、この2つの種別で全体の82パーセントを占め、今後、所有者が使用、またはほかに貸したり売却することにより利活用が期待できることから、空き家バンク事業につなげたり、改修工事のために市内建設関連業者と連携を図っていくこととしている。
そこで、先駆的空き家対策モデル事業を実施している栃木県栃木市を選定した。
視察地の状況
市概要
人口:160,867人(令和元年5月1日現在)
世帯:65,871世帯(令和元年5月1日現在)
面積:331.50平方キロメートル
市役所:旧地元デパート店舗に平成26年移転…無償で寄付を受ける(平成23年の東日本大震災による旧庁舎被害の改修費150億円)
1階に東武デパートがテナントとして入る(賃貸)
住みたい田舎ベストランキング(各世代部門別)
2017年:若者世代と子育て世代で第1位
2018年:若者世代第1位、子育て世代とシニア世代で第2位、総合第3位
2019年:若者世代第2位、子育て世代第1位、シニア世代第3位、総合第2位
栃木市の空き家の現状
空き家数:2007件、空き家率:13.1%(平成27年実態調査、業者へ委託)
高齢者世帯率:20.5%
持家率:81.4%
高齢者世帯の持ち家率:90.7%…空き家予備軍が多い
損傷がある一戸建ての空き家:36.7%(全国平均33.0%)…「蔵の街」でもある為古い家が数多く存在、高齢化も併せて空き家問題の深刻化が懸念
空き家の相談内容
空き家所有者
- 管理負担が大きいので処分したいが費用面が課題
- 相続手続きが進まず処分や利活用が困難
空き家近隣者
- 草木の繁茂、害虫の発生などの衛生面の指摘
- 屋根や外壁が崩れるなどの危険性の指摘
栃木市の空き家対策の概要
平成27年 栃木市空き家等の適正管理及び有効活用に関する条例施行
平成28年 栃木市空き家等対策計画策定
計画の基本方針
- 使える空き家は活用してもらう
- 再利用できない空き家は解体し、敷地を使用してもらう
- 空き家のまま維持する場合は適正に管理してもらう
- 新たな空き家の発生を抑制する
平成29年 自治会と連携した空き家対策(先駆的空き家対策モデル事業)
- 参加自治会:48自治会(平成29年:42自治会 平成30年:6自治会)
- 確認できた空き家:177件(うち所有者不明:43件)
- 利活用および処分予定の空き家:37件
空き家バンク制度「あったか住まいるバンク」
制度内容:不要な空き家や空き地を市の特設サイトで紹介して、「売りたい・貸したい人」と「買いたい・借りたい人」を仲介する⋯低額な価格設定と宅建協会とも協力連携
制度実績:経済効果 1,423,174,000円
年度 | 登録物件数 | 利用登録者数(市民 / 市外) | 制約件数(市民 / 市外) |
---|---|---|---|
平成25年度 | 3 | 1(0/1) | 0 |
平成26年度 | 14 | 17(13/4) | 9(7/2) |
平成27年度 | 25 | 110(43/67) | 14(7/7) |
平成28年度 | 86 | 221(88/133) | 45(25/20) |
平成29年度 | 101 | 224(119/105) | 67(36/31) |
平成30年度 | 125 | 332(170/162) | 80(47/33) |
合計 | 354 | 905(433/472) | 215(122/93) |
空き家に対する支援制度 【空き家バンクリフォーム補助制度】:空き家のリフォーム等に利用
対象者
- 空き家バンク制度に登録し成約した空き家等の所有者
- 空き家バンク制度に登録し成約した空き家等の購入者
- 空き家バンク制度に登録し成約した空き家等の賃借者
補助率:工事費等の2分の1
補助額:リフォーム補助…限度額50万円、家財処分…限度額10万円
平成31年度予算額:12,633,000円
年度 | 件数 | 金額(円) |
---|---|---|
平成25年度 | 0 | 0円 |
平成26年度 | 6 | 1,444,000円 |
平成27年度 | 16 | 4,277,000円 |
平成28年度 | 34 | 11,026,000円 |
平成29年度 | 52 | 15,808,000円 |
平成30年度 | 41 | 13,834,000円 |
合計 | 149 | 46,389,000円 |
空き家解体費補助制度:空き家の解体に利用
対象者:空き家の所有者
対象建物:昭和56年5月31日以前着工
補助額:倒壊等の恐れがある場合…限度額50万円、老朽化等により修繕が困難の場合…限度額25万円
平成31年度予算額:30,000,000円
年度 | 件数 |
---|---|
平成27年度 | 43 |
平成28年度 | 101 |
平成29年度 | 111 |
平成30年度 | 119 |
合計 | 374 |
移住定住に対する支援制度「住宅取得補助事業」
まちなか定住促進住宅新築等補助制度~まちなかの定住人口増加と活性化を図る~
IJU(移住)補助金
- 対象者:市街化区域に住宅を取得(新築・中古)した方、Uターン・Iターン・Jターンで市内に移住した方
- 補助額:新築住宅…30万円、中古住宅…20万円
- その他補助額:所有者が40歳未満…10万円(50歳未満…5万円)、18歳未満の子がいる場合…1人あたり10万円、所有者が市内勤務…10万円(市外勤務…5万円)
市内住替え補助金
- 対象者:市街化区域に住宅を取得(新築・中古)した方
- 補助額:新築住宅…15万円、中古住宅…7.5万円
- その他補助額:所有者が50歳未満…5万円、18歳未満の子がいる場合…1人あたり2万円
多世代家族住宅新築等補助制度 ~多世代家族の形成促進と地域コミュニティ維持等を図る~
- 対象者:市街化調整区域に3世代同居又は近居(2キロメートル以内)する為に、住宅を取得(新築・中古・増改築)した方
- 補助額:20万円
空き家等の適正管理に関する協定
空き家の予防啓発と適正管理を目的とする
シルバー人材センター(平成27年9月)、NPO法人スマイル(平成30年10月)
空き家を活用した移住促進事業
長い間空き家だった古民家や蔵を移住体験宿泊施設として整備
- 「蔵の街やどかりの家」:開設から2年半で79組200名利用、うち7組17名が移住
- 「IJUテラス蔵人館」:開設から半年で28組68名利用、うち1組1名が移住予定
以下質疑応答
- 質問:自治会との協力体ができているが、自治会数は全体でいくつか。また今後は。
- 回答:全部で482自治会。2年前国のモデル事業として呼びかけをした所、多くの自治会が 手を挙げてくれた。今後も協力依頼をしていく。
- 質問:自治会に対しての謝礼等はあるのか。
- 回答:協力してくれる自治会に対して3万円を謝礼。
- 質問:どのような連絡体制なのか。
- 回答:随時報告が基本。依頼して最初は住宅地図を渡しマッピングしてもらい、調査票を提出してもらう。
- 質問:適正管理と発生予防の実績が素晴らしいと感じるが要因は。
- 回答:固定資産税の通知にチラシを同封している効果が大きいと感じる。
- 質問:財産権や所有権の問題もあり、相続放棄などで所有者が不明の場合がある等、なかなか周知が難しいと思うが工夫している点はあるか。
- 回答:固定資産税に同封するチラシに、「管理不十分の場合には損害賠償が発生する」などの注意喚起を入れている。
須坂市への提言等
- 自治会と連携した活動は、空き家の早期発見・活用事業に大きな効果を発揮し、そのことが空き家バンクの登録・成約件数の増加につながっていることがうかがえた。しかし、連携している自治会は全体の10%程度で、中心市街地区域のみの状況であり、今後周辺自治会との連携を進めるのかが課題ともいえる。
- 空き家に係る各種補助金制度が充実しており、そのことが事業進展の大きなけん引になっていると感じた。財政負担を考えると今後の補助金制度の在り方について最大の課題になってくると思われる。
- 栃木市は、栃木県第三の都市であり、東京との間はJRや東武鉄道で1~2時間で結ばれ首都圏への通勤圏ともいえる立地にあることから、住みたい田舎ベストランキングの上位にノミネートされている。そうした地の利を生かした移住促進政策とマッチングさせた空き家対策が効果を上げているのではないか。
須坂市に提言できること
- 空き家の早期発見・活用のためには、自治会との連携が重要となっていることから、区長会等を通じての日常的な情報提供を促すシステムの確立が必要と思われる。
- 今後は空き家が増加傾向で推移することが予想される。新たな空き家の発生を抑制するためにも、解体や利活用を促す支援制度の創設は喫緊の課題。
- 空き家をいかに活用していくかも今後の課題である。そのためには、空き家バンクの充実は欠かせない。築年数や間取りの情報だけではなく、リフォーム歴なども一元化し物件情報を充実させ、移住支援のみならず中古住宅市場との連携も模索する必要がある。
- 行政、自治会、関連民間事業者等と官民一体となって空き家対策に取り組んでいかなければならない。
3.栃木県足利市 有限会社ココ・ファーム・ワイナリー 「農福連携事業~こころみ学園の取り組み~について」
選定理由
指定障害者支援施設「こころみ学園」は、障害者の農業分野への本格進出の草分け的な存在で、昭和43年に勾配38度の急斜面を開墾しぶどう畑を作り、有限会社ココ・ファーム・ワイナリー」を設立し、農業と農産物加工の一体的な取組みが行われている。国でも推奨している農福連携事業について先進的事例であると感じ視察先とした。
視察先の状況
市概要
人口:145,068人(令和元年5月1日現在)
世帯:61,371世帯(令和元年5月1日現在)
面積:178平方キロメートル
こころみ学園およびココ・ファーム・ワイナリーの概要および調査事項説明
こころみ学園およびココ・ファーム・ワイナリーの歴史について
設立背景:園長の川田昇氏が昭和41年に千葉県で設立した施設での実体験から
当時としては冷暖房も完備され綺麗な施設に入所している園生がその後、就職した際に、「トイレが汚い、冷暖房がない」等の文句ばかり言うようになった。
昭和43年:市・県・国の補助金等の支援を受けないで自らの手で学園の施設づくりを行う
昭和44年:30名定員(9名職員)のこころみ学園がスタート、「自ら汗を流して家族のような施設」~葡萄と椎茸の栽培を中心に農作業をとおして園生の心身の健康を目指す~
昭和55年:学園の考え方に賛同する保護者の出資により「ココ・ファーム・ワイナリー」設立
昭和59年:醸造免許の許可がおりる
こころみ学園について
- 重度の知的障害で成人のみ入所
- 入所者数:94名(最高齢…89歳)…平成18年より増減なし
- 入所希望待機者:約30名
- 自分のできる事は自分のできる範囲で行うことをコンセプトとしている
- 洗濯係や清掃係を除く人は全員作業を行う…「○○○○のプロ」を目指す
- 入所費は食費・光熱水費・日用品等で約6万円
ココ・ファーム・ワイナリーについて
- 有限会社の為、公的な補助なし
- こころみ学園で作った葡萄を購入し、ワインとして販売
- ワイン作業に従事する園生は約15名
- こういった施設で作ったワインだからといった様な同情などで買ってもらうのではなく、とにかく美味しいワインを造る!というコンセプト
- 年間約20万本製造
- 足利市と佐野市に5つの自家畑
- 北海道、山形、長野、山梨、群馬、埼玉、栃木に契約栽培農家
- ワインの使用抜粋
平成12年:九州沖縄サミット「首里城晩餐会」
平成20年:北海道洞爺湖サミット「総理夫人主催夕食会」
平成28年:G7広島外首相会合「岸田大臣主催夕食会」
その他JALやANAの機内で使用される
こころみ学園およびココ・ファーム・ワイナリー視察から
椎茸原木運び
- 学園で毎日行われる作業:椎茸の原木に刺激を与える為、原木を毎日移動する
- 山の斜面を運ぶ為にバランス感覚が鍛えられる等様々な良い影響がある
- 4万本の原木(東日本大震災の前は36万本)
質疑応答
- 質問:学園の運営費と農作業などにかかる費用はどう区分しているのか?
- 回答:運営費は介護給付費など法律できまっている予算で行い、葡萄や椎茸栽培などにかかる費用とは完全に区分して行っている。農作業で得た収入は、農作業の支出へ。
- 質問:農作業の園生への技術指導は誰が行うのか。
- 回答:学園の諸君やココ・ファーム・ワイナリーの職員が行う。
- 質問:農福連携を国も推奨しているが、須坂市では葡萄の収穫時期に人手が足りなくなっている。障碍を抱えている方が作業を行うなどは可能と考えるか。
- 回答:障碍の程度は十人十色であり、ただ農家の人手が足りないからという理由では難しいと考える。その人その人にあった作業があり、その見極めと農家のマッチングをする仲介役が重要。学園では毎日椎茸の原木を運ぶ作業があり、その作業する様子を職員が見て、他の作業への適正を考える。収穫の時だけという限定は難しい。
- 質問:農作業の園生への技術指導は誰が行うのか。
- 回答:学園の諸君やココ・ファーム・ワイナリーの職員が行う。
須坂市への提言等
初代園長が知的障害者の仕事としてぶどうやシイタケの栽培を選んだ理由は、手足の機能訓練と同時に人手が足りない山や農村には、一年中やりきれないほど仕事があることで栽培が行われたとのこと。これらは地域経済に大きく貢献し、地域の農地維持・保全にも寄与している。
農福連携をしていく上では、障害が特別ではないことを理解できる地域づくりをしていくことや、農業工程の分業化、WIN WINの関係が大事だと感じた。

昭和43年当時、勾配38度の急斜面を現在の様に機械ではなく、人力で開墾した。
この記事に関するお問い合わせ先
- より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください
-
更新日:2024年03月26日