須坂高校で「移住者に向けた防災」について探究するチームに話を伺ってきました

更新日:2024年12月16日

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  1. はじめに
  2. 「総合的な探究の時間」とは
  3. 「なぜ移住者向け?」チームメンバーにいろいろ聞く!
  4. これが完成した「防災BOOK」だ!(ご協力のお願い)
  5. 最後に

1、はじめに

2024年12月9日に撮影した須坂高等学校の校舎

須坂高等学校校舎

11月、市報と共に配布される「助け合い起こし すざか」の紙面(参考1)に須坂高等学校生の「石川県穴水町での災害ボランティア活動の記事」が掲載されており、そこに気になる単語が…
「探究テーマ 新規移住者にむけて私たちができる防災対策とは」
そう、ボランティアに参加した生徒の中に、移住者に関係するテーマで学習を進める方がいる事を知ったのです。その内容が気になったので、お話をうかがいに須坂高校へ向かいました。

2、「総合的な探求の時間」とは

ここでみなさま「総合的な探究の時間」をご存知ですか?
これは学習活動の一つで、「それぞれの興味・関心により個人探究またはグループ探究で、自ら問いを立て、情報を収集し、分析して、新たな視点を手に入れる活動」(須坂高校ホームページより)。須坂高校の2年生は「既にたくさんあるプロジェクトの中から選ぶ」または、「新たなプロジェクトを立ち上げる」のどちらかで探究テーマを決め、1年かけて探究を深めていくそうです。(須坂高校での学びについては、文末より須坂高等学校のホームページをご覧ください。(参考2))

 

3、なぜ「移住者向け?」気になる事をチームメンバーに聞く!

チームメンバー。左から、藤澤さん、山田さん、木下さん

私が取材させていただいた「新規移住者にむけて私たちができる防災対策とはチーム」は山田さん、藤澤さん、木下さん、の3人のメンバーで構成されています。
「昨今何かと話題になる南海トラフ地震や災害救助の話題から災害について興味をもった」という山田さんがプロジェクトを立ち上げてメンバーを募り、それに興味をもった藤澤さんと木下さんが集まり、今に至ります。
チームバランスはとてもよく、発表なら「山田さん」(声が大きいらしい・中野市在住)、調べ物担当の「藤澤さん(中野市在住)」そして各所へのアポイントメントは「木下さん(高山村在住)」が得意とのこと。それぞれの個性を活かしたチームの運営がお見事です。

防災対策は誰にとっても大切なはず。なぜ「移住者」に向けてなのでしょうか。

皆様によると、最近の学生たちは学校の「社会の授業」や「防災教室」で地元の災害について学ぶことがしばしばあり、ある程度自宅周辺で起こり得る災害について把握しているそうです。それに対して、「移住者はその情報が少なく地元の方に比べて困ることがあるのではないか」という考えに至り、そして「移住者に向けてできる事はなにか」という思いからこの探究がスタートしました。

探究学習はただのまとめ学習ではありません。興味を持つことにはじまり、課題の提起、情報収集、フィールドワーク、色々な行動と角度からテーマについて探究します。このチームのメンバーも、石川県へ災害ボランティアに向かったり、市役所の防災の対策をする課(総務課危機管理係)へ訪問インタビューもしました。そして大量の情報の収集と精査をして、発表会に向けてチームで一つの発表資料を作っています

活動中のエピソードも聞かせていただきました。

山田さんは石川県穴水町のボランティアについて「大変だったけどとても大きな学びになった」といいます。何とボランティア当日は、6月にニュースになった豪雨の次の日だったそうです!(「助け合い起こし すざか」の記事もご覧ください)。
そして、一番苦労したのは資料作りとの事。例えば藤澤さんは、ネットや図書などの、調べれば調べるだけ出てくる情報について、何を選んでどうまとめるかに苦労したと教えてくれました。更にこういった類のガイドはなかなか文字が多かったりして読みづらいものですが、見やすくなるようにイラストや構成を工夫するのは木下さんの得意分野。これを「楽しんでできた」という木下さん。大したものです。

これからどうしていきたいか

完成したガイドブックをたくさんの方に見てもらい、アンケートに答えていただくことで「どれくらい拡散できるのか」そして「移住者の方が内容についてどう思ったか」ということを集計してまとめていきたいそうです。
チームメンバーは3月に行われる予定の「全校に向けた発表会」への参加を目指しています。この発表会は須坂市文化会館メセナホールで開催される、全体から選ばれた数チームのみが上がれる舞台。これは燃えます。
さて、完成して「防災BOOK」みなさまも内容をみたいですよね。

4、これが完成した「防災BOOK」だ!(ご協力のお願い)

防災BOOK表紙

防災BOOKの表紙

現在、この防災ブックをご覧いただいた市外からの移住者の皆様にお願いがあります。
この「防災BOOK」をより良いものにするため、この防災BOOKをご覧いただいた方に、アンケートにお答えいただいております。

ご協力お願いいたします

学習の取りまとめの締切日が迫っているため、2024年12月中にご協力いただけると幸いです。

移住者の皆様よろしくお願いいたします。

5、最後に

日頃、我々も移住希望者の方に市内のハザードマップ等、防災関連の情報を提供する事はありますが、私自身の防災意識といえば、学生の頃に「防災について」の授業があった記憶はなく、たまに避難訓練があったくらいです。そして現在も備えといえば、「車のガソリンを満タンにしておく」位。拝見させていただいたガイドブックからの気づきは、自分に足りない情報の自覚、注意喚起、そして反省になったと共に、防災対策は有事の際に発生するものではなく日頃からの備えなのだなと改めて実感しました。
更に知らなかった事も多く、いそいそと須坂市ホームページを確認する事になったのでした…。
「須坂市の新規移住者に向けて私たちが教えられる災害対策とはチーム」の皆様、お忙しいところお話をありがとうございました!
(2024.12)