【移住者の声】『山里にひっそりと佇む豊樂庵(ほうらくあん)』豊樂庵 高津・慧親(えしん)・ドロテーさん (豊丘上町)

更新日:2025年02月26日

ページID: 6518

市街地から離れたところにある瞑想のための庵

ドイツ出身のドロテーさんは、日本の文化に興味を持ち、大学在学中に日本文化を学び、日本に留学。留学中に、お坊さんだった今のご主人と出会い、結婚。結婚後は、ご主人のご実家のある須坂のお寺で、主婦として暮らしていたそうです。最初は、ご自身が仏教の道に行くとは思ってもみなかったそうです。

現在は、豊樂庵(ほうらくあん)で坐禅、瞑想、読経、経行(きんひん:歩きながらの瞑想)、写経、写仏や茶道、ヨガ、ウォーキングなど、仏教に限らず、幅広い体験プログラムを実施しています。

宗教や宗派を超え、さまざまな国の方が豊樂庵を訪れるそうで、長い方で3週間近く滞在されるそうです。3年前からは、地元の小学校との交流も行っているそうです。今回はそんなドロテーさんに、ご自身の活動について語って頂きました。

仏教との出会い

「仏教の道に入るきっかけは、臨済宗(りんざいしゅう)の自由で個性的なお坊さん達との出会いです。彼らの生き方が興味深く、自分も臨済宗なら修行してみたいと思いました。その後、ご縁がありまして鎌倉にある建長寺の今の師匠と出会いました。しばらく経ってから、師匠の下で出家することになり、慧親(えしん)という僧名(そうめい)を授かり、5年間通参(つうさん)という形で岐阜にある臨済宗の修行道場である正眼寺(しょうげんじ)へ通いました。

今は、豊樂庵にて体験プログラムを定期的に開催しています。また、泊まりに来た方に、寝床を提供する代わりに、豊樂庵の周辺の草取りや建物の修繕などの手伝いをして頂きながらこの庵を運営しております。この建物は、山に囲まれており周辺には野生動物以外誰もいません。

自然を通じて、自分探しや生き方・考え方を見つめるにはちょうど良い場所です。訪れた方が、豊樂庵を通して新たな気付きを得ていただければと考えています」

築90年の古民家を自らの手で修繕

今年で庵を始めて11年になり、建物自体も自分で修繕したそうです。当時のことを語って頂きました。
「この庵は築90年程の農家の家で、10年程空き家でした。壊れた土壁も、元々の土壁を剥がして水でもどし、刻んだワラを混ぜて自分で塗り直すなど、出来るところは自分で資材を調達し、修繕しました。」「おかげさまで大工仕事も出来る様になりました。庵の周辺の庭も少しずつ綺麗にしていきました。庭はイノシシなどの野生動物が荒らしてしまうのでこまめに面倒を見ています」

人生を豊かにするお手伝いをしていきたい

「今年出来た裏庭は、経行(きんひん:歩きながらの瞑想)を体験して頂く為に整備しました。坐禅などの室内でじっとしているプログラムだけでなく、今後はヨガなどの体を動かす体験も行う予定です。」「その他にも、アートやものづくりなどの自然の材料で、自分を表現できる体験プログラムも取り入れていきます。」「また、仏教の教えは、哲学と一緒で頭の体操になりますが、生活の中で活用していかなくては役に立たないと思います。仏教に限ったことではありませんが、訪れてくれる方には、仏教の基となる教えが人生にどう役に立つかをこれからも話していきたいです」

自らも満足することなく活動していきたい

「自分探しに終わりはないです。私も自分探しをしています。自分を見付けたと思い込んで落ち着いてしまうことなく、新しい自分を見付けていくのが面白いですね。」「この庵も、今は仏教が活動の軸になっていますが、色んな人の話を聞きながら何が生き方・考え方の参考になるかという視点で、仏教に縛られることなく、自由に、柔軟に考え、活動していきたいです」

豊樂庵は、須坂市街地から車で20分程山に登り、細い林道を抜け、人里離れた見晴らしの良い場所に、ひっそりと佇んでいます。冬季は雪の為4月まで閉まっていますが、今年は12月の頭まで開いているそうです。もしかしたら、須坂の山奥で、新たな自分が見付かるかもしれません。

(2014年11月 地域おこし協力隊松田)

【注意】インタビューの内容は取材当時のものです。

豊樂庵

【電話番号】080-113-113-78

住所はホームページからご確認ください。

この記事に関するお問い合わせ先

総務部 政策推進課
所在地:〒382-8511 長野県須坂市大字須坂1528番地の1
電話番号:026-248-9017 ファックス:026-246-0750
お問い合わせフォーム