【市民の声】『創業120年続く、老舗のはんこ専門店』土屋印店 6代目店主 土屋武志さん(上中町)

更新日:2025年02月26日

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もはやアート。繊細精密にデザインされた判子製作

上中町にある土屋印店は、創業120年程になる老舗のはんこ専門店です。6代目店主で一級印章彫刻技能士の土屋武志さんは、お店を引き継いで9年目になります。平成27年2月23日に開催された第28回技能グランプリでは、印章木口彫刻の競技職種で、初出場ながら金賞(厚生労働大臣賞)を受賞される程、高い技術を持っています。また2年に1度開催される全日本印章業協会主催の全国印章競技会や毎年開催される大阪府印章業協同組合主催の大印展では、幾度も金賞を受賞されています。

お店の中に飾られている受賞作品の印章は、もはやアートと言っても良い程、繊細で緻密にデザインされています。それでも、はんこ屋さんとして謙虚に製作に励む土屋さん。今回は、そんな土屋さんにお話を伺いました。

創業120年程になる老舗のはんこ屋さんの6代目として

「祖父がお店ではんこの製作をしており、はんこづくりは、当たり前の光景でした。その後、先代である父が引き継いだこともあり、いつか自分もお店を引き継ぐのだろうという思いはありました。」「会計事務所の仕事を7年程していたのですが、先代の父が大きな手術をした時に、お店を引き継ぐことに決めました。」

「前の仕事を退職し、そこから2年間毎週末になると、神奈川県の職業訓練校に通って、印章の製作技術の習得に励みました。そこで、はんこを彫る技術のみならず、印刀の作り方や字も習いました。現在でも月1回通っています。また、過去の受賞作品を見たり、別の加工技術などを勉強し、製作に応用していければと研究しています。」「はんこの製作は、印材を印刀で彫るという、一見してシンプルな作業工程ですが、だからこそ奥が深いです。特に昔の人の作品を見ると、その技術の高さを感じることが出来ます。レーザー加工では作り出せない様な緻密な作品もあります。」「お客様の大切な瞬間に立ち会えるからこそ、少しでもいいものに仕上げることが出来る様、日々心掛けています」

はんこづくり

「はんこは、書体や文字の形を決めたら、篆刻台(てんこくだい)という台にはんこを固定し、朱墨を塗り、その上から筆で文字を書きます。そして、印刀を使い分けて朱墨の部分のみを彫ります。」「彫る作業は、荒彫りと仕上げの2工程ですが、1本のはんこを作るために7本以上の印刀を使い分けます。」「印刀は、自分の右腕となるものなので、自分で使いやすい持ち手を作り、使用しています。また印刀は、その都度砥石で磨いています。繊細な作業が多いため、砥石も印刀に合ったものを使用しています。道具のメンテナンスには特に気を遣っています」

人生の特別な瞬間で使って頂くはんこ

「はんこは、人生の節目節目の特別な瞬間に使って頂くものです。大切な場面でお客様と関わることが出来るので、一本一本心を込めて製作しています。それが、はんこづくりのやりがいと魅力であると感じています。」「現在は、レーザー加工や彫刻機ではんこが作れるため、私たちのように手づくりではんこを製作するお店は減ってきていると思います。私たちも様々な設備は整えておりますが、大切な場面で使って頂くからこそ、他にはないオーダーメイドの一本を使用して頂きたいと思います」

最後に土屋さんは、「いつか須坂にちなんだデザインのはんこや従来のはんこのデザインの枠を超えたものを作ってみたい」と語って下さいました。須坂に訪れた際は、是非土屋さんの作る、アート作品のようなはんこをご覧になって下さい。

土屋さんインタビュー有り難う御座いました。

(2015年3月 地域おこし協力隊 松田)

【注意】インタビューの内容は取材当時のものです

土屋印店

  • 【住所】長野県須坂市上中町157
  • 【営業時間】9時00分~19時30分
  • 【定休日】日曜日、祝日
  • 【電話番号】026-245-0607

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総務部 政策推進課
所在地:〒382-8511 長野県須坂市大字須坂1528番地の1
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