【市民の声】『トレイルランニングの魅力と須坂でのトレイルランニングの可能性』株式会社ネイチャーシーン 大塚浩司さん
開催地域ならではの経験ができるトレイルランニングを!
株式会社ネイチャーシーンは長野県の北信濃と神奈川県の湘南を中心に拠点を置き、アウトドアプログラムの企画や運営を行っています。近年は、トレイルランニングという森や山、自然公園などの未舗装の道を走るスポーツのプログラムに力を入れています。
株式会社ネイチャーシーン代表取締役の大塚浩司さんは、須坂市望岳台出身で高校卒業後、アメリカに留学し金融学を学び、帰国後は外資系の証券会社に就職し、退職後すぐに株式会社ネイチャーシーンを起業されました。 今回は、大塚さんにトレイルランニングの魅力や須坂でのトレイルランニングの可能性についてお聞きしました。
アウトドアスポーツに目覚めるきっかけ
「現在、神奈川の藤沢市片瀬山というところに住んでいます。片瀬山は海に近く、証券会社に勤めていた頃、朝5時からサーフィンに行き、その後、会社に行っていました。」「 海に入り、人間が自然と一体になる感じに魅了されました。特に、朝日が昇る瞬間と夕日が沈む瞬間を見るのが大好きです。本当にこれこそ人間の生きる姿だと感じ、自然が身近にあるライフスタイルは本当に楽しいと思いました。」
「ネイチャーシーンを起業しようと思ったきっかけは、2点あります。」「1点目は、リーマンショックを転機にお金よりも本当に自分のやりたいことをやろうと思った事。2点目がサーフィンの仲間で湘南エリアでアウトドアプログラムの会員制のスポーツクラブをやられている方がいました。その方を見て、まさに私がやりたいことだと思った事です。」「出身が信州なので、山を舞台としてアウトドアスポーツを展開したいと思い、株式会社ネイチャーシーンを立ち上げました。」
トレイルランニングの魅力
「6年前、長野市の中央通りにビルを一棟借り上げ、『アウトドアで非日常を味わいましょう』というコンセプトでスポーツクラブを始めました。」「しかし、収益にならず、2年間で撤退しました。東京から長野に移住された方にコンセプトは伝わったのですが、長野に住んでいる方は山が日常でコンセプトは伝わりませんでした。」
「ちょうど、その頃から、仲間と一緒にトレイルランニングをはじめました。サーフィンと同じくらいトレイルランニングは面白いことに気づきました。山の中を走っていると獣のような感覚になり、人間本来の野生の感覚がパっと目覚めてきます。その感覚が大好きで、トレイルランニングのプログラムをメインで提供していました。」
「スポーツクラブの反省も踏まえ、県外からお客さんを集めるビジネスモデルに変え、戸隠でトレイルランニングの大会を開きました。開催したところ大盛況でした。」「土曜日の夕方に大会を終え、その後パーティーを開き、ゆっくりとお酒を飲みながら親睦を深めてもらいます。その後、開催地域の宿に泊まっていただけるようにしています。そして、日曜日に早起きしてもらい、午前中に地域を観光し渋滞する前に、帰ってもらう仕組みを作っています。」「大会というよりは旅として、トレイルランニングの面白さだけではなく、開催地域ならではの貴重な経験を味わえることから、『トレラントリップ』と呼んで旅行気分で楽しんでもらっています。」
土地柄が出たほど面白い
「トレイルランニングの大会は、地域に特徴がある大会は面白いし、長く続く大会です。逆に運営者が勝手に開き、地域性などがない大会は、人が集まらず長続きしません。」
「私が主催したものではありませんが、成功例では、群馬県の神流(かんな)という町があります。過疎地がひどく、高齢化で人口流出してひどい状況でした。危機感を覚えた地域の人が、大会を開きました。」「何をやったかというと民家にお客さんを300人泊めて郷土食と地酒でその地域ならではのおもてなしをしました。 お客さんに大好評で国から表彰を受けるほどの大会になりました。」
須坂のトレイルランニングの可能性
「ぜひ、須坂で開催したいという思いがあります。3年前くらいから様々なコースを走っています。私が開催したいのは須坂らしさを出した大会です。」「 蔵の町か臥竜山スタートで坂田山、妙覚山、妙徳山、太郎山、井上山、大洞山へ行って竹の城跡に行き、またスタート地点に戻ってくるコースなど面白いですね。」「 道路が多いので安全面などに課題がありますが、クリアしながら将来的には開催したいです。」
トレイルランニングを地域資源と組み合わせ、トレイルランニングを旅として提供する大塚さん。インタビューをさせていただき思ったことは、とにかく思いが熱いこと。大塚さんに刺激を受け、須坂の臥竜山、鎌田山、坂田山を走ってみました。息をあげながら、山をかけ上がると素晴らしい景色が広がっていました。頑張ったから、よけいに素晴らしく見えました。
開催地域ならではの自然を五感で楽しみ、その地域に宿泊し、一緒に走った仲間や地域の方との交流を楽しむトレイルランニング。大塚さんの話を聞き、須坂の観光に新しい可能性を感じ、ワクワクしました。
大塚さんインタビューご協力いただきありがとうございました。
(2015年12月 地域おこし協力隊 和田)
【注意】インタビューの内容は取材当時のものです
株式会社Nature Scene(ネイチャーシーン)
- 【住所】長野県北佐久郡軽井沢町長倉298-3
- 【電話番号】080-2018-1093
更新日:2025年02月21日