【市民の声】『中澤鋳造所にみるモノづくりの楽しさと可能性』 中澤鋳造所 代表取締役 中澤啓明さん(野辺町)
モノづくりの技術、楽しさ、可能性を伝える企業
「今朝は冷えましたね。でも本当に山がキレイです」と答えて頂いたのは中澤鋳造所の代表取締役中澤啓明さん。黄色いタオルを首に巻き作業用のエプロンを着てお仕事中にも関わらずインタビューに協力していただきました。
鋳造の技術を生かし様々な製品を作っています。
「鋳造とは鉄・アルミ合金・銅を熱源で溶かし鋳型(いがた)に流し込み目的の形状にする加工方法です。中澤鋳造所は鋳造の技術を生かし様々な製品を作っています。最近は3Dデータの加工もできるようになりました。製品は主にタンクローリー用のポンプの部品や試作用自動車の部品を作っています。5~10年後に発売されるモデルの部品を作るのは楽しいですね」
「過去には、形状記憶合金の須坂市動物園で人気だったボクシングをするカンガルーハッチのお土産も作った事があります。あんまり評判が良くなかったみたいですけどね」と笑いながら答えてくれました。私も形状記憶合金のカンガルーハッチを見せて頂きました。リアルすぎて可愛げがないと思った感想でした(笑)。どうして作ろうと思ったのかというと同じ製造関係の企業の仲間達で何か面白いおみやげになるものができないかという事で作られたそうです。
モノづくりの技術を町づくりに生かす。
「放置自転車に電動モーター搭載すれば新しく活用方法にならないか考えた事がありました。法律の問題が複雑でできなかったですけどね」放置自転車に対して挑もうとするところがすごいと感じました。」
「小さいころからオーディオ、カメラ、スピーカーなどの部品を買い集めて作っていました。オーディオは音が出なくて難しかったです(笑)。そんな遊びをしていると自分で色々と考え工夫します。そういった中で想像力や好奇心を磨くことが仕事にとても役に立っています」
若い人にモノづくりの素晴らしさを伝えたい。
「モノ作りの良いところは、自分のつくりたいものを作れる能力が身に付くことですね。求人を募集していますが自分で一つの事を成し遂げられる人に来て欲しいです。自分で計画を立て目標に向かえることができるような方です。」「例えば耕作放棄地を耕し農作物を育て販売する須坂園芸高校(現在の須坂創成高等学校)の学生です。この春から開校する須坂創成高校でデュアルシステム(実践的企業実習)の受け入れを今年から行うのですがそのような人材を地域の企業として育てていきたいですね」
自分の想像するものを自分で作れる人はきっと楽しいんだろうなとお話しを聞いて思いました。
最後に
インタビューのあと工場にお邪魔し、作業風景を見学させていただきました。型に土を詰め、プレス機で固め、型を作りそこに溶かした溶解を流し込み固まったら土を壊し製品を取り出して完成です。「簡単にいえば鯛焼きを焼くのと一緒の要領です(笑)原始的な方法が一番早いんですよ。難しいモノであるほど完成した時の喜びがあります」
奥が深そうな世界。でも面白そうな世界。創意工夫することができ好奇心旺盛な方にはぴったりな会社だと感じました。
(2015年2月 インタビュー)
(インタビューの内容は取材当時のものです)
有限会社中澤鋳造所
インターンや職場体験なども受付されているとのことでしたのでご希望の方はご相談ください
- 【住所】長野県須坂市大字野辺973−3
アルミ砂型鋳造製品・試作・短納期・自動車関連・医療機器・産業用関連他製造|中澤鋳造所 (nakazawa-f.co.jp)
更新日:2025年02月20日