【市民の声】『盆栽の魅力と須坂』松山園 四代目園主 山本千城子さん(幸高町)

更新日:2025年02月20日

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唯一の女性「盆栽技術保持者」

盆栽屋の松山園(しょうざんえん)にお邪魔しました。松山園には、見渡すかぎり盆栽があり、盆栽ワールドが広がっています。インタビューに答えていただいたのは、オーナーの山本千城子(ちやこ)さんです。山本さんは、四代目の園主で、唯一女性で盆栽技能保持者の1人です。日本盆栽作風展組織委員長賞の受賞経験者としても、山本さん以外に女性はいません。

盆栽屋のはじまり

「明治時代に曾祖父の商売は古典植物の蘭、万年青(おもと)から始まりました。」「当時、須坂で盆栽ブームが起こり、販売する植物も盆栽が多くなり、盆栽を中心に販売することになりました。盆栽が何故、多くの人が買い求めたかというと、お金持ちのステータスであり趣味であったためと聞いたことがあります。」「盆栽を買われた方は、人を招く時に、自ら丁寧に育てた盆栽を玄関に飾り、迎えたそうです。玄関に飾った盆栽を見て、盆栽が来客者との共通の話題として場を和ませるために使ったそうです」

四代続いた盆栽屋の理由

「須坂市は、明治・大正時代製糸業で飛躍的に発展し、盆栽も広がるほど文化を持つ町でした。文化レベルが高いこの地域だからこそ四代に渡って盆栽屋を営んでこれたと思います。これから私がやるべきことは、心のゆとりを楽しむ古来の伝統文化の盆栽を継承しつつ、そこに新たな風を吹き込んでいくことだと思っています」

盆栽の魅力

「盆栽は生きているものだから変化を楽しむことができます。鉢が小さく外の土より温かいため、四季の変化を先取りして楽しむことができます。手の平サイズで楽しめるのも魅力で、自分でイメージしながら盆栽を作っていくのも楽しみの一つです。

盆栽は手間を怠ると枯れてしまいます。手間が足りなかったことを教えてくれます。逆に、手間をかけて育てると立派に成長してくれます。自分の気持ちに向き合うのに似ているところが良いですね」

できるだけ身近に、手軽に楽しんでもらいたい

「山で種を拾ってきて、芽が出るまで育てます。小さな鉢に差し替え、盆栽を仕立てていきます。このように盆栽を始めるのは、簡単で誰にでも楽しめる趣味です。

私は盆栽をもっと身近に知っていただき、素晴らしさ、面白さをより多くの方と共有したいと思い、記念樹として親しんで欲しいと提案しています。娘が生まれた記念、結婚記念、旅行の記念などに盆栽を始めれば、その愛着もひとしお、家族みんなに愛される盆栽の誕生です。きっかけさえあれば、盆栽に触れる機会、趣味人口も増えていくと思います」

ああ、盆栽って綺麗なんだな。盆栽に今まで触れ合う機会のなかった私は、新しい発見をしました。手のひらサイズの小さな世界。小さな世界の中には、四季によって違う姿を見せてくれます。じっくりと小さな世界に向き合い思いを馳せると、人の手で丹精込めて作られていることを知り、心があたたかくなりました。

山本さん貴重なお話しをお聞かせいただき、ありがとうございました。

(2015年4月地域おこし協力隊 和田)

(インタビューの内容は取材当時のものです。)

松山園(しょうざんえん)

【住所】長野県須坂市幸高町4381

【電話番号】026-248-0080

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