【移住者の声】『ペンションの暮らし』 うどのペンション 鵜殿賢三さん(峰の原高原)

更新日:2025年02月27日

ページID: 6521

老舗ペンションオーナーが教えるペンションの魅力

峰の原高原スキー場のリフト頂上から徒歩5分。 峰の原高原の第1ペンションエリアにある「うどのペンション」は 1976年にオープンし、あと数年で40周年を迎える老舗のペンションです。オーナーの鵜殿(うどの)さんご夫婦は、東京からのIターン移住者。ペンション経営や移住者として感じる峰の原の暮らしについてお伺いしました。

脱サラ・脱東京を経てペンションオーナーへ

「新橋でサラリーマンとして15年近く働いていたのですが、 30歳を過ぎ、会社の同期もみなマイホームを建て始めた頃、夫婦でマイホームの話をしたんです。自分もそろそろかぁと思いました。」「しかしマイホームを建てることは、私にとって大きな出来事でした。なぜなら私自身、東京での生活に疑問を持ち始めており、サラリーマンとしての生活に個人的に行き詰まりも感じてもいました。」

「1970年代当時の東京は、環境汚染、過密と地価の高騰の始まりなどもあり、住環境的には悪化しつつあったと思います。仕事も週6で満員電車に揺られて朝早くから夜遅くまで仕事をしていました。それでも、日本経済は上向いていたので、東京には活気があり、それなりに経済的な豊かさも感じていました。」「このままマイホームを建て、今の生活を続ければ将来の生活は保障されていました。ですが同時に本当にそれが豊かな生活なのかを疑問に感じていました。すぐに結論が出た訳ではないですが、東京に家を建てるか、そうでない暮らしを選ぶか、マイホーム建築の話を機に、自分たちにとってどちらがいいか考えることにしたんです。」

「そんな時、妻が友達とペンションに遊びに行ってきて、私にペンションのことについて色々話をしてくれました。『ペンション経営もいいなぁ』と、その時は半分冗談で話をしていました。」「その後、ペンションに二人で泊まりに行った時、オーナーと色々話をしたんですが、自然豊かなで、しかも自分たちが住んでいる場所で仕事が出来るペンション経営っていいなと思ったんです。」

「当時のペンションは、お客様同志の交流があり、若者や家族連れにとても人気がありました。また開業するにも専門的な知識はさほど必要ではなかったので、開業しやすいという面もありましたね。」「その後、お互い働きながら、夫婦でペンション経営について情報収集を行いました。原村や斑尾高原、峰の原のペンションオーナーの話も聞きました。」「開業の決め手は、峰の原高原の景色ですね。都会では見ることが出来ない景色が一面に広がっており、ここしかないと思いましたね。」「寒いところとは聞いていましたが、若いころはしょっちゅうスキーに行っていたので、さほど気にならなかったです。」「後はもう勢いでした。両親には凄い反対されましたよ。なんたって安定した生活を捨てていくんですからね。でも、夫婦で決めたことなので、怖いものはなかったですね」

大変だけど楽しい生活

「ペンションには色々なお客様が宿泊に訪れます。ホテルと違いオーナーが接客するので、お客様との距離も近く、会社勤めでは関わることの無かった方々と交流ができるのがペンション経営の一つの魅力ですね。」「常連のお客様とは何十年とお付き合いがあり、世代を超えてお付き合いのあるお客様もいらっしゃいます。また、ペンションは繁忙期と閑散期があります。オーナーの経営次第では、サラリーマン時代では取れない位の長期休みを取ることもできます。」

「大変な所は、館内の清掃、ペンキ塗りなどの日々の掃除やメンテナンスです。冬の寒さで水道管が破裂することも稀にあります。おかげさまで、大工仕事は一通り出来る様になりましたよ」

都会では味わえない体験が日常で味わえる

「新鮮な空気や冷たくておいしい水が毎日飲めることや、星がきれいだったり、太陽がさんさんと当たったり、北アルプスが一望できたりと、都会では味わえない体験が日常で味わえる所ですね。」「また都会の喧騒が一切なく、木々が揺れたり、野生動物がペンションを横切ったりするくらいで、ここはとても静かです。」「そういった意味で、経済的な豊かさではなく、お金で買えない豊かさが峰の原の暮らしにはありますね。」「子供を思いっきり遊ばせても大丈夫です。子育てには最高の場所だと思いますよ。」

「ただ良いとこばかりではないですよ。東京と比べれば、峰の原高原の冬の寒さはとても厳しいです。積雪が1メートル以上あり、寒い時期はマイナス20度にもなります。ちゃんと対応策を講じていないと、水道管が凍ってしまうくらい寒いですね。冬の寒さに絶えられる体力と精神力も必要です。もちろん、スキー、ボードを楽しむこともできます」

お客様第一のおもてなし

「一般的にペンションは低廉で清潔感があり、家族的なおもてなしを経営理念としています。私たちも開業以来ずっとその理念を守っております。それは、特別なサービスがあるわけではなく、きれいなペンションを保ち続けるということと、気遣いや気配りなど、お客様との距離感を大切にし、お客様第一を心掛けるということだと思います」

自然が好きで元気と笑顔があればいい

「自然豊かな所が好きで、笑顔と元気があれば誰でもできると思いますよ。あえて挙げるなら、お客様に合わせてサービスの内容を変えられる柔軟性や、毎日の掃除やベッドメイクなどをちゃんと手を抜かずにできる人ですね。」「あとは、冬の寒さが気にならないという方。もちろんペンションは一人では切り盛りできないのでご夫婦かカップルが最低条件ですね」

(2015年1月)

【注意】インタビューの内容は取材当時のものです。

うどのペンション

  • 【住所】長野県須坂市仁礼3153-700
  • 【電話番号】0268-74-2725

この記事に関するお問い合わせ先

総務部 政策推進課
所在地:〒382-8511 長野県須坂市大字須坂1528番地の1
電話番号:026-248-9017 ファックス:026-246-0750
お問い合わせフォーム