移住者の声 須坂市地域おこし協力隊 北 直樹の『須坂キラビト』vol.3

更新日:2024年03月26日

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積まれたリンゴコンテナの前で撮られた右手にりんごを持ってほほ笑む藤沢拓也さんの写真

私が果物から学び、イベントで得た大切なもの / 須坂市地域おこし協力隊 北 直樹の『須坂キラビト』vol.3

地域おこし協力隊の北直樹(自称のーす)がお届けする連載「須坂キラビト」は、須坂市に関わるキラリと光る情熱を持つ人をテーマに、活動のきっかけ、これまでの苦労や未来の活動についてもお話を伺う。

第3回目は農家であり、イベントも手掛ける藤沢拓也さんを取材した。

農園内でりんごのコンテナにの横に座って下を向いて作業をする藤沢拓也さんの写真

藤沢拓也さん
2021年に松本市から須坂市へUターンしてカネ十農園(家業)に就農する。
松本市在住時は民間企業で事務職や営業職を経験。
中学まではバレー部、高校時代はサッカーに明け暮れ、現在も長野パルセイロレディースを熱心に応援している。
学生時代のポジションはフォワード
趣味:サッカー観戦、温泉(須坂ではないけど…蕨温泉がオススメ!)

働く情熱を求めて

質問:藤沢さんは昨年度、松本から須坂へ戻っていますが、きっかけはありましたか?

藤沢さん:「会社員時代に誰のために働いているんだろう?と疑問を感じることが増えていったんです。私のしている仕事は本当にお客様のためになっているのか不安でした。そんな時、もっとお客様目線で考えて、動いて…お客様の意見をダイレクトに反映できる仕事がしたい!と思ったことがきっかけです。転職前の2020年から実家のECサイトの運営を手伝いしていく中で、家業であればそれができると感じ、少しずつ家業を継ぐことを意識しました。そして2021年に本格的に就農しました」

質問:須坂に戻ること、家業を継ぐということで何かギャップはありましたか?

藤沢さん:「戻ってきたときのギャップは無かったですね。父親もずっと見ていたし、地域の人たちとも昔から付き合いがあったので。良いギャップは沢山ありました。人との繋がりで仕事が出来、人が人を繋いで販路が大きくなっていくことが今はとにかく楽しいです」

農園内でテーブルにりんごのコンテナをのせて、立って作業をする藤沢拓也さんの写真

質問:実際に就農して苦労はありましたか?

藤沢さん:「実際に思っていた以上に果物の管理が難しかったですね。例えば、ぶどうであれば無駄な枝の剪定、りんごでは花を摘む作業があったり…あの“おいしさ”はこの繊細な作業が生んでいるんだと、仕事をしながら実感し勉強しています(笑)」
そう話す藤沢さんの顔には充実感が漂っていた。

広告は自分が作る!自己流のSNS術

質問:藤沢さんと言えばSNS。このような活動を始めたきっかけを教えて下さい。

藤沢さん:「会社員時代に、もし明日仕事が無くなったら一人で生きていけるのか?と考えたときに自分に価値が何もないと感じていたんです。そんな時、オンラインスクールが目に入りました。みんなと同じことをしていても個人の価値は出ないと感じ、思い切ってSNSのオンラインスクールを受講しました。
2020年にECサイトと同時にカネ十農園のInstagramを開設し、今の活動の原点がスタートしました。現在はフォロワーが4025人。約2年間で日本全国にファンが出来ました。今も『目指せ1万人!!』で活動しています。自分を大切にすればそれがしっかりと『個性』になると信じてやっています」

私もフォロワーだが、この短期間でフォロワー数を増やすのはブランド力だけではなく、藤沢さんの見る人を飽きさせない広告や、見てくれる人のためになるものを作りあげる努力が大きいと感じた。ここは是非、チェックしてほしい。

藤沢拓也さんがSNSに投降したシナノゴールドとりんごの凄さについて紹介した2枚の投稿写真

質問:カネ十農園の商品には『信州須坂日滝原からの贈り物。』という言葉が添えられています。私は個人的に、この言葉に須坂愛が詰まっていて大好きです(笑)この言葉への想いがあれば教えて下さい。

藤沢さん:「これは私ではなく父が付けたんです(笑)でも、私自身も『日滝原』という地名が大切だと思っていて、ただのブドウじゃなく『日滝原』で育てたブドウって聞いた方が想像しやすいですし、りんごやぶどうも同じで、その名前を大切にすればそれが『ブランド』になっていくって考えています。それは私自身、人の名前や漢字を間違えたくないという性格が一因かもしれないです(笑)」

白地に信州須坂日滝原からの贈り物りんごジュース100パーセントナチュラル、カネ十農園と書かれたラベルが付いたリンゴジュースのアップ写真

商品に入れられた「日滝原」の言葉

藤沢さんは小さいころから母親に口酸っぱく「謙虚に生きなさい」と教えられてきたそう。相手のことを常に考え、目の前にいる人だけじゃなく、その先の人を見てきた教訓が『ブランド』を作りあげるうえで生きているのだと感じた。

裏の顔 須坂のイベント仕掛け人

質問:今年は藤沢さんが主催したイベントが2つ(古城荘でのKURASHIのマルシェ・KURASHIの夜会)、どちらも他のイベントが重なっている中で大盛況でした。そもそものきっかけは?

藤沢さん:「ここに来る前に、これもオンライン講座で地方創生を学んだことがありました。地域の人たちが自慢に思うような町でなければ住んでいる人も、来た人も町の魅力に感じないと。ここで何か出来ないかと考え、自分の出来る最大限を考えたとき「イベント開催」しか出来なかったんです(笑)そういったイベントを通して須坂を好きになり誇りに思ってほしい。そう思って始めたのがきっかけなんです。KURASHIのマルシェでは食べることばかりじゃなく、子供も楽しめる体育館でのアクティビティやキャンプ場を使うという発想が良かったのかなと。KURASHIの夜会は平日がお休みで、夜しかイベントに来られない人も来れるように考えてみました。あとは単純に夜にイベントやったら面白いなって(笑)」

質問:そんなイベントを通して何か得たものはありましたか?

藤沢さん:「やろうと思えばやれる、ってことですかね(笑)結局はやるかやらないか。今回のイベントでの一番の収穫は人間関係の幅が大きく広がったことですね。出展者、古城荘、観光局、後援してくれた市役所、地域おこし協力隊・・・手順や段取りなんかも学びましたが、大変だったけど楽しかったし、この学びを得たことは私の人生にとってもすごく大きな財産になったと思っています」
走り出したらとまらないタイプだという藤沢さん。イベントを走り終えた時はマラソンのゴールのように満身創痍かつ大きな達成感に包まれたそうだ。

KURASHIの夜会で撮影された、ライトが設置されたテントの下や焚火に集まる2枚の参加者の写真

KURASHIの夜会の様子

質問:そんな藤沢さんが次に考えていることがあれば教えて下さい

藤沢さん:「次は映画祭ですかね(笑)物産展みたいな地域の持ちよりでマルシェするのもいいですね。いろいろやりたいことがあって困っています(笑)」

農家としてやるべきこと

質問:そんなスーパー農家の藤沢さんにこれからの活動について伺ってみた。

藤沢さん:「カネ十農園というよりも農家として、まず大勢の人に果物を好きになってほしいなと感じています。私達農家ももっとやれることがあると思っていて、特に果物の『良さ』をもっと伝えていきたいです。他県のマルシェにも出店していますが、もっと須坂市全体の果物の良さをPR出来ればと思っています。自分の一人の力だけではなにも成せないということを、マルシェを開催する中で感じてきたので…。いろんな人の食の好みがありますから、それを須坂の沢山の農家さんから選んでもらえれば嬉しいです。選んでもらった中に、たまたまカネ十農園が入ってるくらいで良いと思ってます」

質問:地方創生を学んだ機会もあるという藤沢さん、もしよければ最後に須坂市への想いを一言お願いします。

藤沢さん:「世の中で少子高齢化、労働賃金が低い等の経済問題なども沢山ありますが、須坂市ではそれを感じにくいと思われる市になってほしいですね。いきなり国は変えられないので…須坂市がその中の何か一つを解決出来れば地方創生のモデルケースになると思うし、我々市民もその手助けが出来れば嬉しいです。何か考えれば地方からでも出来るんだよってのを見せられたら面白いですね」

最後の最後まで藤沢さんらしいワクワクするコメントを頂けた。これからも藤沢さんのチャレンジは続く。私個人的にも今後の動向を追いかけていきたい。

積まれたリンゴコンテナの前で撮られた右手にりんごを持ってほほ笑む藤沢拓也さんの写真

藤沢レコメンド!

私が最も自信を持ってオススメするのはりんごとりんごジュース。ブドウももちろん美味しいですが、須坂のりんごも美味しいんですよ!りんごは特にスーパーフードで健康にもいい。その辺はInstagramでどんどん発信しているので、フォローして頂きたいです(笑)

木に実った赤いりんごたちの写真とテーブルにのせられた白いキャップが付いたりんごジュースの瓶の写真

商品のご注文・ご購入はECサイト、Instagramでのダイレクトメールでも可能です。

公式ショップのサイトにつながるQRコード

(公式ショップサイト)

インスタグラムにつながるQRコード

(インスタグラム)

藤沢さんはNoteでも発信しています。是非ご覧ください。

NoteにつながるQRコード
大きく表示された段ボールに詰められた黄色いりんごの写真と下に小さく4つ並べられた黄色いりんごの写真とその隣にQRコードの画像

この記事を書いた人

北 直樹 (自称のーす)
1986年7月3日 石川県金沢市生まれ
2022年8月神奈川県川崎市より須坂市に移住し妻と2人暮らし
現在、須坂市地域おこし協力隊として活動中

  • 趣味:レザークラフト、野球、DIYなど
  • 好きな歌手:吉川晃司、氷室京介
  • 主な活動:空き家バンク、信州芋煮会

夢は須坂市の特産品で6次産業の企画・開発・営業で起業すること

この記事に関するお問い合わせ先

総務部 政策推進課
所在地:〒382-8511 長野県須坂市大字須坂1528番地の1
電話番号:026-248-9017 ファックス:026-246-0750
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