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移住者の声・市民の声

“ふくだや”を守りたい / 須坂市地域おこし協力隊 北 直樹の『須坂キラビト』vol.5

地域おこし協力隊の北直樹(自称のーす)がお届けする連載「須坂キラビト」は、須坂市に関わるキラリと光る情熱を持つ人をテーマに、活動のきっかけ、これまでの苦労や未来の活動についてもお話を伺う。

第5回目は須坂市北横町の「ふくだや 山岸昂太さん」を取材した。

ふくだや
※左が昂太さん、右が2代目で父の広和さん

山岸昂太さん(28歳)
須坂市出身
高校を卒業後、医療機器販売営業として東京で働く。2年後、当時の労働環境の問題などもあり退職。実家へ帰省し、ちょうど家業の人員不足から手伝いを始めることに。今では8年目となりすっかりお店の顔となった。地元消防団などでも精力的に活動中。

【いいとも的。新崎酒店さんからのご紹介です。】
———まず前回の須坂キラビトvol.4で、新崎酒店さんがふくだやさんに憧れているというお話をしていました。息子が後を継いでくれたら・・・という夢も語っていましたので、今回は昂太さんにスポットを当ててみようかなと思いました!前回の記事も読まれたと思いますがいかがでしたか?

『新崎さんがそう言ってくれたのは素直に嬉しかったです。でも本心ですかね?(笑)私達も新崎さんにはお世話になっていまして、コロナ前、精肉店の上でスキヤキ・しゃぶしゃぶ屋をやっていた時にお酒の仕入れでもお世話になっていたんですよ』

———そうだったんですね!まさかそんな繋がりがあったとは。須坂は狭いですね・・・。
ところで、「山岸さん」なのにどうして「ふくだや」なんですか?(笑)

『北横町でお店をはじめて50年になります。先代の私の祖父が始めたのですが、実はその祖父が早くに亡くなってしまい「ふくだや」の理由がわかっていないんです(笑)当時の記録も残っていなくて・・・長野市のふくだやの暖簾分けという話もありますが、酔っぱらった時に父に話していたことらしいので、定かではありません(笑)もし須坂で他に知っている人が居たら教えて欲しいですね(笑)私達もなんでふくだやなんですか?って聞かれると、いつも困ってしまうんです(笑) 』

店舗

———そんな経緯があったんですね。今では須坂で唯一の精肉店となり知名度も上がって名前も変えるのは難しそうですね。須坂では昔から精肉店は多くなかったんですか?

『実は昔、須坂にも7件の精肉店があったんです。昔はお肉ってぜいたく品で、精肉店をすれば儲かるって時代もあったみたいなんです。でも、時代も流通も変わって、スーパーでは安いお肉が並ぶようになって、精肉店では太刀打ち出来なくなっていったんです。私達もそこはかなり苦労しました。他のお店では後継者不足なども重なったりして、最終的に「ふくだや」だけが残りました』

———ふくだやさんだけが残った理由があると思うんですがいかがでしょうか?

『たぶん、祖父達が残した味やこだわりを50年変えなかったことかもしれません。実は皆さんが良く買われる馬刺しやメンチは祖父のころからあって、味もずっと変えていないんです。だからずっと長い付き合いが出来ているのかもしれません。長野県産っていうところにも強くこだわっているので、地元の人たちも愛しやすいのかもしれません。他にも学校給食や病院、消防などいろいろなところに卸しているんですが、それも祖父の時代から変わってないんです。「変化が無い」といえばそれまでですが「変化させない」ことで沢山の人たちに喜んでもらっていることもあって、私達はそこを大切にしているんです。

肉

他にはショーケースもずっと工夫をしてきました。よく精肉店に行くと、ショーケースの半分は何もなかったりしますよね?そんな精肉店で「これありますか?」って聞くのは結構な勇気で、なかなか言えないと思うんです。ふくだやはどんなに天気が悪くても、お客さんが来なくてもショーケースは常に満載にしています。だから活気があるように見えてお客さんも入りやすいのかもしれないですね。父からもここは強く言われていて、ずっと大切にしてきています』

ケース
※ショーケースいっぱいに並んだ商品

【創業時からの“馬刺し”へのこだわり】
———私も初めてお伺いしたときに沢山並んでいるショーケースからおすすめを聞いて、馬刺しを購入させて頂きました。とても美味しかったです。
この馬刺しにはどんなこだわりがあるのか教えて下さい!

『馬刺しは松本の目利き士さんとずっと一緒に仕事をしています。それも祖父の時代からです(笑)馬は牛と違って大量に飼育されているものでは無いですし、個体番号などもなく解体しないと脂ノリなんかもわからないんです。ただ大きい馬だからいいってわけでもない、小さければいいってものでもない。その目利き士さんは、ふくだや専用の馬を探してくるプロです(笑)そこは国産馬というところも絶対外せませんね。
あとはやっぱり値段です。高すぎても一般家庭に届かないし・・・馬の数が減っていて全国的に価格も上昇気味なんですが、松本の目利き士さんのお陰で、安くて美味しいお肉を提供出来ているんです。これも変化させなかったことが生んだものかもしれないですね。』

———変化の多い時代で「変えない選択」が出来るのは凄いことです。ご来店される方はどうでしょう?

『昔から“普段使い”される方もいます。塾帰りの中高生がメンチを買って帰ったり。そういう使い方をされるのは本当に嬉しいです。ここぞの時じゃなくても、どんどん使ってください(笑)他には先日、アメリカの方が来たり、大阪から来たり・・・移住者の方も多いんです。タイやベトナムの人も来られたりして、専用メニューも用意してます。お肉は国によって食べる部位も文化も違うので、どんな要望にも出来るだけNOと言わないようにしてます。100gでも少量でも希少部位など要望があれば基本的にNOは無しで揃えますよ(笑)』

メニュー

———確かに外国文化って様々ですよね。そこに応えているところがまたすごいところです。そろそろ締めていきたいのですが、今後このお店で叶えたい夢はありますか?

『大きな変化をさせることは考えていません。出来るだけ今の“ふくだや”を守ることにこだわっていきたいんです。ふくだやが売れている理由は「50年」が積み上げてきた歴史だと思っていて、先代が作ってきた問屋さんやお客さん、皆さんが作ってきた味を守ってきたからこそ今も続けられているんです。
知り合いの人にも「商人っていうのは“小人”なんだ、偉そうになっちゃダメだぞ」と言われていて、その言葉もすごく大切にしています。
その中でもサービス面の拡充(ホームページを新たに開設!)など、私が出来る小さな変化はしていきたいんです。SNSなんかも挑戦していきたいですね。なかなか時間が無いんですけど(笑)あと新崎酒店さんとのコラボで、お肉に合う日本酒を店内に置こうかって話もしたりしています。ふくだやの歴史を聞いて、名前の由来もあいまいでびっくりしたとは思いますが、これからも100年、200年と「ふくだや」として続いていくのが私の夢ですね』

【のーすレコメンド!】
中高生達も大好きというメンチカツシリーズと馬刺し!
ハムカツが下味も付いてて絶品・・・馬刺しも赤身中心でさっぱりして日本酒熱燗と一緒に頂けば本当に最高です!

ショーケース

「ふくだや」ホームページこちら
QRコード

【のーすレポート】
実はふくだやさんには地域おこし協力隊の活動の1つでもある「芋煮会」でもお世話になっていました。芋煮やお鍋にはどんな鶏肉が合うのかと相談に行ったところ福味鶏がいいよ!と教えて頂きました。その後の芋煮の味の変化を知っている方にはもう説明の必要はありませんね(笑)どんな些細な相談にもしっかりと乗ってくれて、小さな要望にも応える。そうすることでスーパーとの差別化を図り、値段では勝てないとわかっているからこそ、味・品質・サービスを追求し、それを変化させない企業努力をしてきた。それが結果として地域の“ふくだや”として定着したんだと今回、改めて感じました。
私は変化することが正義という世界で生きてきましたが「変化させない」ことも勇気で、それを貫くことも大切なのだと学びました。「変化」とは奥深い。
ふくだやさんのホームページにはお肉のすべての単価も記載されています。お客さんがお店に来てびっくり!とならないよう、価格もオープンにしてお客様へ開示しているそうです。このような正直なサービスも「ふくだや」が愛される理由なんだと思いました。
“ここぞ”でも、“いつもの”でも使える「ふくだや」。皆さんも是非足を運んでみてはいかがでしょうか。きっとそこには 「いつもと変わらない“ふくだや”」が待っていますよ。

【この記事を書いた人】
北 直樹 (自称のーす)
1986年7月3日 石川県金沢市生まれ
2022年8月神奈川県川崎市より須坂市に移住し妻と2人暮らし
現在、須坂市地域おこし協力隊として活動中
趣味:レザークラフト、野球、DIYなど
好きな歌手:吉川晃司、氷室京介
主な活動:空き家バンク、信州芋煮会
夢は須坂市の特産品で6次産業の企画・開発・営業で起業すること


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このページに関するお問い合わせ先
総務部 政策推進課
TEL:026-248-9017
FAX:026-246-0750
所在地:長野県須坂市大字須坂1528番地の1