危険物の貯蔵における注意点
消防でいう「危険物」とは、主に灯油やガソリンなどの燃料のことを言います。灯油やガソリンなどは、私たちの日常生活欠かせないものですが、その取扱いを誤ると思わぬ事故につながる危険なものでもあります。
そこで、消防法では一定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取扱う場合は許可制度を設け、厳しく規制しています。
※ 指定数量 例 | ガソリン | 200リットル |
灯油・軽油 | 1,000リットル | |
重油 | 2,000リットル |
代表的なものがガソリンスタンド等の給油取扱所や工場等などでの屋内、屋外貯蔵所のことを言います。
また、各家庭でホームタンクなどにより貯蔵し、又は取扱う場合は、指定数量未満の危険物(又は少量危険物)といい、各市町村条例により規制しています。
ここでは、指定数量未満の危険物(以下「少量危険物」という。)の貯蔵及び取扱いについて注意点を紹介します。
少量危険物を貯蔵及び取扱う場合の届出について
危険物を貯蔵及び取扱いする場合、消防署へ届出を要する量が定められています。
なお、事業所(店舗、工場、会社など)と家庭では、届出を要する量が異なります。
危険物名 | タンクの容量 |
---|---|
ガソリン
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40リットル以上 200リットル未満
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灯油・軽油
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200リットル以上 1,000リットル未満
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重油
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400リットル以上 2,000リットル未満
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危険物名 | タンクの容量 |
---|---|
ガソリン
|
100リットル以上 200リットル未満
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灯油・軽油
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500リットル以上 1,000リットル未満
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重油
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1,000リットル以上 2,000リットル未満
|
防油堤の設置について
1.防油堤とは?
ホームタンクなどから危険物が漏れた場合に、その流出を防止するための金属板やコンクリート等でできた受け皿・囲いのことで、貯蔵するタンクの量以上の容量が必要となります。
防油堤を設けることにより、給油時のうっかりミスによる危険物の漏れや、タンクなどからの漏れ等の場合に、その流出を止めることができます。
2.防油堤の設置対象は?
事業所や家庭で、次の数量の危険物をホームタンク等で貯蔵する場合、防油堤の設置が必要となります。(防油堤の設置を要する量は、事業所、家庭とも同じです。)
危険物名 | タンクの容量 |
---|---|
ガソリン
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40リットル以上
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灯油・軽油
|
200リットル以上
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重油
|
400リットル以上
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3.防油堤を設置するときに注意することは?
- 防油堤の材質は、金属板もしくはコンクリート等危険物が浸透しない材質のものがよいでしょう。
- 防油堤の内部に水が溜まらないようにしましょう。排出するための水抜口を設けると管理が容易です。
- 容量は、設置するタンクの容量以上としましょう。(目安として110%以上)
- 地震等によりタンクが転倒しないように、防油堤内に固定又は容易に転倒しない措置をしてください。
- 配管で供給する場合は、地震等により損傷しないようにしてください。(配管の途中に衝撃緩衝材(フレキシブル管等)を設ける)
防油堤の設置については下記リンク先をご覧ください。