市長のコラム バックナンバー
◆スノーモンキーは、性格がい!?
発行日時:2023 年 04 月 20 日 16 時 26 分
2023年4月10日(月)、アメリカから日本国内に旅行でお越しになっていた浅野秀二様(島根県出身。米国在住歴46年。JACエンタープライズ代表)をご案内して、山ノ内町の地獄谷野猿公苑(英語圏ではSnow Monkey Mountain)に行きました。浅野様は、アメリカはもちろんのこと世界65か国、そして長期間にわたる日本国内旅行を経験されているので、同行中、比較論として多くのことを教えていただきました。その一つが猿の生態です。
ニホンザルの生態
ニホンザルは他の動物と比べると人間に近い感情をもっていると考えられています。猿の表情はとても豊かで食べ物の好き嫌いや物事の好き嫌いが表情でわかるほどです。さらに自分の感情に意のままに従うところがあるので個体によっては攻撃的なこともあります。野生のニホンザルには近寄らないほうが賢明です。
「おさるランド&アニタウン 人間そっくり!?ニホンザルの性格をわかりやすく解説」から引用
しかし、地獄谷野猿公苑の猿(スノーモンキー)は攻撃的ではありません。
浅野様は、インターネットの動画で人気があるのは、赤ちゃんを含む「子どもと動物」とおっしゃいました。スノーモンキーの子どもが人気なのは、この二つを兼ね備えているからだと思いました。
さらに、スノーモンキーが攻撃的でないのは、観光客の猿たちに接する態度がやさしいからだと感じました。遊歩道を猿が歩いていると観光客のほうが道を譲っています。「雀の子 そこのけそこのけ 御馬が通る」ならぬ「人間よ そこのけそこのけ 御猿が通る」です。観光客は、子どもを見るような慈愛の目でスノーモンキーを見ていましたので、猿のほうも人間を信じているのでしょう。
猿と人間の関係がやさしさに満ちていれば、その環境自体もやさしさに満ちる。これは人と人とで形成される環境(地域、企業、学校等)も同じで、「朱に交われば赤くなる」、「人が環境をつくり、環境が人をつくる」。スノーモンキーを見て感じました。
地獄谷野猿公苑にインバウンドの観光バスが4台来ていました。うち3台は、それぞれドイツ、イスラエル、イギリス・オーストラリアからの観光客で、いずれも目的地は世界遺産白川郷(岐阜県大野郡白川村)、地獄谷野猿公苑、国宝善光寺の三か所でした。
須坂市など有名観光地ではない地方へのインバウンドの可能性について浅野様にお聞きしたところ、外国人観光客は2日程滞在すると日本が好きになって、また日本に来たくなる。そしてリピーターは、より「日本を感じる」地方都市に行きたくなる、とのことでした。私自身も、その土地独自の暮らしを感じる場所に魅力を感じます。まさに信州須坂観光協会が掲げる「暮らし観光」に通じます。
外国人観光客がわずか2日程度の滞在でまた日本に来たくなるのはなぜか。それは地獄谷野猿公苑のスノーモンキーたちと同様で、外国人観光客にとって日本の居心地がいいからだと思います。
地獄谷野猿公苑の駐車場管理員が、「片言ですよ」と謙遜をされていましたが英語を話され、かつとても親切なことにも感心しました。
また、外国人観光客には絵葉書が好評と知りました。
地獄谷野猿公苑でインバウンドに関するマーケティングを行うことは有意義と感じました。
浅野様とは3日間ご一緒させていただきました。極めて有意義で、学ぶことが多々ありました。心より感謝を申し上げます。