旧小田切家(西糀屋) きゅうおたぎりけ(にしこうじや)

カテゴリ: 明治時代 須坂 建造物・伝統的建造物群 県指定県宝 所有者氏名または名称:須坂市 観光スポット

日本庭園の松の木の影から、白壁と濃い茶色の木造の美しい伝統的な日本家屋の前に、鮮やかな黄色のワンピースと赤いスカートを履いた二人の女性が歩いている様子を捉えた写真。

旧小田切家住宅は、須坂市の中心市街地に位置する屋敷である。1870(明治3)年の須坂騒動と呼ばれる強訴が起きた際、小田切家住宅も打ち壊しにあい、敷地内の建物の多くが毀損されたと伝えられている。現在に見る一連の建物群の姿は、明治時代中期までに小田切辰之助(1839~1904)が再建したものである。
敷地内には主屋、店、表門・上店、土蔵、水車小屋などが立ち並ぶ。

主屋は木造二階建てで、内部は全体的には素朴で近世的な造りである一方、座敷や奥座敷は華やかで近代的な造りであり、両者が共存する空間になっている。
表門・上店は谷街道に面しており、屋敷地の境に流れる水路には、石橋が掛かる。この水路の石積みは、須坂クラシック美術館にも見られる「ぼたもち積み」である。

小田切家は近世には、町年寄、須坂藩御用達をつとめるほどに財を成していた。
先述の強訴によって江戸期の史料のほとんどが失われているため、何によって財を成したのかは不明である。しかし「大糀屋」、「西糀屋」と呼ばれているため、糀屋か酒造業によるものと推測されている。幕末の記録によれば、呉服商や糸商も営んでいた。

近代になると、蚕糸業にも深くかかわるようになる。特に、小田切辰之助は有数の製糸家である。
蚕種の品質を管理する蚕種大総代に任命されたほか、日本で最初の製糸結社である東行社を結成し、東行社からの脱退の後には俊明社を設立した。
また、銀行の設立や水道の敷設に協力するなど、須坂の発展に大きく貢献した。

住宅に隣接する交差点は、江戸時代から続く須坂の中心地かつ交通の要所であり、交差した2本の旧街道沿いには、明治時代から大正時代にかけて建てられた土蔵造の町家が多く残されている。
小田切家はその内の1つであるが、昭和30年代までは敷地が現在の西側にも広がっていた。製糸業が盛んだった当時をしのぶ代表的な建物である。

長野県指定文化財 県宝 建築物(2018〔平成30〕年9月27日指定)

参考 『須坂市誌 第五巻 歴史編Ⅲ』(2016〔平成28〕年3月)、『須坂市指定有形文化財 旧小田切家住宅修理工事報告書』(2017〔平成29〕年10月)


【旧小田切家住宅 開館日のお知らせ】

開館日:土曜日・日曜日・祝日のみ開館(平日はお休み)
時間:午前10時~午後4時(入館は3時30分まで)
また、12月から2月は冬期閉館します。

住所:長野県須坂市大字須坂423番地1
お問い合わせ(開館日のみ)電話番号:026-246-2220
入館料:無料

  • 日本家屋の中庭にある石灯籠と水のない枯山水風の庭を背景に、広縁に座っている女性と、その横に立って遠くを見つめる黄土色のワンピース姿の女性を捉えた写真。

  • 青空の下、黒い瓦屋根と白壁の伝統的な日本家屋が通りに面して建っており、その手前には街灯と車道のある、日本の歴史的な街並みを写し出した写真。

    上店・表門・店外観

  • 切り取られたような門の開口部から、左右に白壁と焦げ茶色の木材が特徴的な日本家屋が立ち並び、地面に敷かれた石畳と土の路地が奥へと続き、静寂な歴史的街並みを表現した写真。

    表門を開けた状態の屋敷内部

  • 日本の古い街並みにおいて、茶色の漆喰壁と濃い茶色の木製の大きな扉を持つ家屋の前に、小さな石造りのアーチ状の橋が架かっており、その下には玉砂利が敷き詰められた水路が流れている様子をローアングルから捉えた写真。

    表門の石橋とぼたもち石

  • 青空を背景に、灰色の波打つ瓦が並ぶ屋根の切妻部分をクローズアップした写真で、白い漆喰の壁には彫刻的な装飾と小さな換気窓が二つあり、左上には紅梅と思われる紅い小枝が伸びている様子を捉えた写真。

    主屋屋根妻飾り

  • 黒い瓦屋根と茶色の漆喰壁を持つ日本家屋の蔵のような建物が写っており、焦げ茶色の羽目板の土台に、格子状の窓と木製の引き戸が配置され、手前には石畳の通路と枯山水風の庭が広がる様子を捉えた写真。

    水車小屋外観

  • 屋内の一角に設置された、明るい茶色の木材と一部に濃い色の木材を使用した大きな水車が、石垣と水路の土台の上に据え付けられており、古民家の梁や柱、格子窓に囲まれた空間に展示されている様子を捉えた写真。

    水車小屋内部

  • 手入れされた庭を前景に、幹が二股に分かれた木を通して、黒い瓦屋根と白壁の伝統的な日本家屋の離れのような建物が見えており、手前には小さな石灯籠と飛び石が配置され、奥には現代的な白い建物が連なっている様子を捉えた写真。

    車寄せ外観

  • 畳が敷き詰められた広間の正面に、床の間のような構造があり、その左右の壁には飾り棚と収納が設置され、天井には古い照明器具が吊り下がった、落ち着いた雰囲気の伝統的な和室を捉えた写真。

    主屋奥座敷

  • 古い日本家屋の土間と板張りの室内を写した写真で、左奥には格子状の大きな木製窓があり、中央には木蓋のついた道具が置かれ、右側には囲炉裏のような四角い開口部と、天井から吊るされた自在鉤のような金具が見える写真。

    主屋台所(囲炉裏とへっつい)

  • 青い空と白い雲の下、黒い瓦屋根と海鼠壁風の土台を持つ白壁の蔵造りの建物が、道路に面して建っており、等間隔に配置された窓には小ぶりな屋根が取り付けられた歴史的な街並みを捉えた写真。

    土蔵北側外観

  • 日本の伝統的な家屋の縁側風の通路を捉えた写真で、鮮やかな青と白の幾何学模様のタイルが敷き詰められた床が特徴的であり、右側には太い木製の柱が並び、その奥には石灯籠のある庭が見える写真。

    土蔵下屋の陶板

所在地

須坂市大字須坂423番地1 (春木町)

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関連動画

  • 旧小田切家住宅へのお散歩 - YouTube: 2016/12/09 に公開

  • 須坂市の文化施設「旧小田切家住宅」を動画で移住体験